桜庭と一緒に外掃除していたはずの琴音が教室に戻ってこなかった。
誰か他の奴らと一緒にいるのだろう、なんていう浅はかな考えでそこまで気にせず自宅に向かっていた。
【松原:ヤッホー、七瀬クン。今日も暑いね☆】
琴音のいとこ──松原颯太とはこの間連絡先を交換した。
ちょうど琴音がお風呂場で逆上せたあとに。
あの時は風呂に入るって言ったっきり中々戻ってこなくて、風呂場のドアをノックしたけど返事がなくて開けたらぐったりしてたからマジで焦った。
すぐにお風呂から引き上げてベッドに運んだけど。
まあ原因は俺だろうから。
アイツ、松原は琴音が好きだってすぐに分かった。
鈍感だからお互い困るねぇなんて言いながら。



