「あれー七瀬クン珍しくスマホ見ないんだ??」
「…別に、今は見たくないだけ。」
いつも七瀬くんの隣にいる男の子とそんな会話をしている。スマホ見たくないとなると会話のチャンス!となりたくさんの女子が集まってくる。
「碧くん!」
突然教室の入り口から七瀬くんを呼ぶ声がした。
声の主は綺麗な黒髪の女の人だった。
「碧くんどうして私から逃げるの…?ずっと連絡してるのに見てくれないじゃない…。」
よく見てみると上履きの色が違うことに気付いた。
この人、先輩だ。明らかに七瀬くんの顔が曇っているのが分かる。朝この人に呼ばれて、今まで一緒に居たのかもしれない。
「あのあなた誰ですか」
同じクラスの派手な女の子がそう問いかける。
私も気になっていたので、これにはナイス!と思った。



