夢にも思ってなかったよ。


どういう意味だと聞かれても答えられない。
恵里菜の気持ちを知ったところで。
薫くんの気持ちが変わってしまう不安がある。


「それで?
 言いたいこと言われて、別れろともでも言われたか?」

「余りにもびっくりし過ぎて言葉がでなくて……。」


こんな修羅場みたいなの経験したくなかったな。
私の人生でそんな経験は無いだろうなと思っていたし、関係無いだろうな。なんて友人たちの恋愛相談した時に凄いなって他人事の様に思っていたのに。


 「真夏、はっきり言うが付き合う事も結婚も真夏以外とはするつもりは毛頭ない。
 彼女から何を吹き込まれたか知れないが。
 もし、約束していたとしてもそれは言葉のあやだよ。
 小さい子ども相手に"君の事は一生かけても女に見えない。悪いが他を当たってくれ。"なんて言えないだろ?
 ましてや親戚の子だし。」