夢にも思ってなかったよ。




結婚記念日なのに嫌な事を思い出してしまった。
あれから恵里菜から何度もメッセージはきたけど、自分の気持ちに整理がつかず、無視してしまっている。



「真夏?何があったんだよ。
 俺たち夫婦なんだぞ。
 一人で悩むな。」


ああ、そうかと。現実に戻されるーーーー。

一瞬睨んでため息をつくーーーーー。

「恵里菜から聞いたの。
 薫くんと恵里菜の事。
 本当は二人が結婚するはずだったって。
 私は二人の邪魔をしたのーーーー?」


泣きそうだ。でも、泣きたくない。
泣き声になりそうだから、ぐっと堪える。



「は?
 誰と誰が結婚するはずだったって?」

「薫くんと、…恵里菜…だよ
 だったら早く言ってくれたら良かったのに。」


確認されて、二人のの名前を言うのにごもってしまう。
付き合い始めた時だって、結婚が決まって報告する時だって何も言わなかったのに今さらなんなのよ。
 

「どういう意味だよ?」