夢にも思ってなかったよ。




私はただただ、恵里菜の衝撃的な発言とともに沈黙が続く。

「デザートをお持ちしましたーーーー。」


驚きの余りフリーズしていた。らしい。

「こんな事、言いたくないけどまだ子どもいないでしょ?
 真夏が考え直してくれるなら薫君を解放して欲しいの。
 薫君だって私の事が好きなのに私が浮気の様な事をしてしまったから、怒ってその反動でたまたま隣にいた真夏と付き合って結婚したんだと私は思ってる。
 きっと私が薫君を裏切る様な事をしてしまったから、私の気持ちを。素直な気持ちを忘れてしまってるんだと思うの。
 薫君と二人で会って話し合いたいけど、今は法律上そういう関係になりたくても無理でしょ?
 私だって、真夏に悲しい思いはしたくないしまして不倫だなんて嫌なの。」


なんて勝手なーーーー。
頭の回路がぶちギレてショートしそう。
今、目の前にいる女性は私の知っている橋本 恵里菜ではない。
想い人を取り返しに来ている知らない女性に見える。


「…それを言いたくて…私を呼び出したの?」

「そうね。
 でも純粋にお誕生日はおめでとうって思ってる。 
 それに、真夏のことは親友だと思ってるから悲しませたくないと思ってるのも事実よ。」




…今日の話を薫くんに話したらなんて言うかなーーーー?


茫然自失。。。
その言葉に尽きる。



…今夜、どんな顔で会えばいいのだろう?




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