「日向!」

そして見つけた。

よかった。制服を着てる。

それだけでものすごく安心した。

振り返った日向の顔が険しくてもなんでもいいんだ。

あのとき去っていった日向の背中にわたしは「待って」なんて弱弱しい言葉をいうんじゃなくてただ一言、こうして「日向!」と叫べばよかったんだ。



「なに?」

冷たい態度をとられたっていいんだ。

「日向ごめんね。日向はわたしのこと嫌いにならないって勝手に思い込んでた、日向はずっとわたしのそばにいてくれるって勝手に思い込んでた」