「んんっ……」

私が目を開けると、天蓋付きのベッドの天井ーーーではなく全く知らない天井があった。少し驚いて体を起こすと、私はベッドの上に寝かされていた。でも、圭さんの部屋の寝室などではない。

「ここって?」

私がキョロキョロと寝室を見回していると、ガチャリと音を立てて寝室のドアが開く。ドアの方を見れば、「起きたんですね」とどこかホッとしたような顔の男性がいた。あっ、そうだ!思い出した。

私はついに昨日、圭さんから逃げ出すことができたんだ。そしてたまたま警察の人に声をかけられて、助けを求めたんだ。

「昨日、気を失うように眠ってしまったので心配だったんですよ」

目が覚めてよかった、と微笑むお巡りさんに私は「助けていただいてありがとうございます。ベッド、使わせてもらってすみません」と頭を下げた。

「朝ご飯がちょうどできたんです。一緒に食べませんか?」

お巡りさんがニコリと笑って言い、私は「食べます!」とベッドから出る。朝ご飯まで用意してもらったんだ……。皿洗いはしないとね。