真剣に考え込んでいる若菜の体に腕を回す。すると、一気に現実に引き戻されたのであろう若菜は「ひゃあ!」と驚いていた。

「け、圭くん!」

「俺たち、恋人同士だからスキンシップは普通でしょ?」

俺がそう言うと、恥ずかしそうにする若菜の目が一瞬変わる。まるでこの関係を否定しているかのように……。本当、誤魔化すのが下手だなぁ。

「可愛い、愛してる」

俺はそう微笑み、若菜を優しく抱き締める。抱き締めた若菜の体は柔らかくて、とても温かくて、俺は一瞬で夢の世界へ落ちてしまった。