三枚目はソファで眠ってしまっている写真だ。本を読んでいる途中に寝てしまったんだろう。まつ毛が長い。その無防備な唇に吸い付きたくなってしまう。

四枚目はルルとリリと遊んでいる写真だ。猫じゃらしを手にして無邪気に笑っている。ルルとリリも楽しそうで、嫉妬しちゃうな。若菜も二匹も可愛いけど。

写真を見ていると心が癒されて、残りの撮影も頑張ろうと思える。七海、優秀だな。どんな写真で俺が癒されるかわかっている。

「頑張るか」

若菜に早く会ってキスをするために……。若菜と幸せになるために……。



「お疲れ様でした」

撮影が終わった頃、もう辺りはすっかり暗くなっていた。もう夜の八時だ。

俺は出演者、スタッフに挨拶をして周り、帰る支度をする。早く帰らないとね。

「紫水さん、帰っちゃうんですかぁ?これから一緒にみんなで飲みに行きましょうよぉ〜」

帰ろうとすると女優が腕にしがみついてくる。冗談じゃない。こんなのがいる飲み会なんて地獄だろ。