若菜を誘拐して二ヶ月半、抵抗をしないため、若菜をリビングに連れて行くようになった。とは言ってもきちんと拘束はしてある。リビング用に取り寄せた長めの鎖の足枷をつけ、若菜一人でリビングに残す時には手錠もつけている。

リビングを若菜のために、若菜の好きなナチュラルでもおしゃれで温かい雰囲気のある北欧スタイルに家具を全部変えた。若菜に快適に過ごしてもらいたいからね。家具を全部変えることに抵抗は全くない。

「フフッ、可愛い〜」

若菜は今、ソファに腰掛けて俺の飼っている猫のルルとリリを撫でている。ペットショップで働いていたからか、とても撫で方が優しくて二匹とも気持ちよさそうだ。

ずっとあの地下室に閉じ込めていたから、若菜に二匹の猫を会わせたのはリビングに連れて来てからだ。若菜はリビングに来るたびに二匹を撫でたり遊んだりする。

「何?どうしたの〜?」

若菜は愛おしげに二匹を撫でるから、ちょっと嫉妬しそうになる。俺にはあんな目をまだ向けてくれないのに……。