その後、圭さんと少し話しながら私は朝食を口に入れ、完食することができた。とてもおいしかった。カフェのメニューにあってもきっと違和感ないと思う。

「ごちそうさまでした」

手を合わせて言うと、圭さんは自分の人差し指でトントンと口の端を叩きながら笑う。

「ハムエッグのケチャップ、ここについてるよ」

「えっ!?」

異性に口周りを汚しているところを見られるってかなり恥ずかしい。顔が真っ赤になっていくのがわかる。慌てて手で拭おうとすると、「俺が取ってあげる」とその手を掴まれ、朝食を食べる前に外してくれた手錠をもう一度つけられた。

「は、早く拭いてください……」

恥ずかしくて私がそう言うと、「うん。すぐに取るね」と言い圭さんの顔が近付いてくる。驚いて「えっ!?」と声が出るが、圭さんに顎を掴まれているため、逃げられない。

ヌルッとした生温かくて柔らかいものが肌に触れる。圭さんの舌だ。圭さんの舌が、私の肌を舐めている。恥ずかしくてどうにかなってしまうそうだった。