その時、「誘拐」と「監禁」というワードが頭に浮かんだ。そうだ、閉じ込めて二人きりの世界を作れば若菜は俺を見てくれる。どうしてそれに気付かなかったんだろう。

俺は最近家を購入した。一人暮らしには大きすぎる豪邸だ。その家には俺しか知らない地下室がある。防音設備も整っているため、若菜の声が外に届くことはない。それに地下室のドアは、三重に鍵をかけられるようになっているため、若菜がどれだけ足掻いても逃げ出すことなど不可能だ。

「若菜、すぐに迎えにいくからね」

若菜を迎え入れるため、早速僕は準備を始めた。Twitterや盗聴などから若菜の好みは把握している。早速俺は家具を揃え、そして拘束器具もきちんと用意した。

そして若菜を待ち伏せして、道を聞くフリをして眠らせる。本当に可愛い。抵抗しようとする若菜も、眠ってしまった若菜も……。

車に乗せて家に連れて帰ると、すぐに地下室に運んで拘束した。そして唇にそっとキスを落とす。

「薬が切れた頃にもう一度来るね」

これから始まる生活に胸を高鳴らせつつ、俺は地下室の鍵をかけた。