「ねえ、今日は夕食はあとにして先に二人でお風呂に入ろっか」

耳元で囁くと、若菜は顔や頬だけでなく耳まで真っ赤にする。迷ったように目線をあちこちに動かす若菜に、「ダメ?」と首を傾げれば小さく「………いいよ」と返された。

「ありがとう」

今、自分がどんな顔をしているのかわかる。きっと甘くて意地悪な笑みを浮かべているんだろうな。でも、こんな俺の素顔を曝け出せるのは若菜だけ。これから先もずっと、この顔は若菜にしか見せないって決めている。

「若菜、永遠に愛してるよ」

やっと若菜の心も捕まえることができるんだ。永遠に離したりしないし、若菜が離れていくのも許さない。

若菜の足につけられた枷を外し、左手を取って薬指に口付ける。ここにいつ俺との結婚指輪を嵌めてもらおうか、そう思いながら強く薬指に口付け、仕上げに丁寧に舐め上げた。

「おいで」

俺が両手を広げると、若葉はとろけるような表情で俺の首の後ろに手を回す。俺はしっかりと若菜を抱き締め、お風呂場へと向かった。