私が目を覚ますと、目の前にあったのは黒岩さんの家の寝室の天井ではなかった。お姫様の部屋に置かれたベッドのような天蓋のついた天井だ。

「ッ!」

この天蓋付きのベッドがどこにあるのか、よくわかる。圭さんの家の地下室ーーー私がずっと監禁されていた部屋に置かれていたベッドだ。ああ、私はまた……。

やっと自由になれたと信じていたのに、また捕まってしまった。連れ戻されてしまった。

黒岩さん、私のことを探してくれるのかな?警察は今度こそ大きく動いてくれるのかな?私、これからどうなっちゃうんだろう?

不安と恐怖が心を支配していく。とりあえず、ベッドから起き上がらないとと思い体を動かそうとするものの、手足が動くことはなく、代わりにギシッと軋む音と手首に鈍い痛みが走る。

「えっ?何?」

私が手首の方を見ると、ベッドガードに手首が縄で縛り付けられていた。足首もベッドガードに固定されていて、足が大きく開かれている。