『ロウ、もう一度
みやと話をしてあげてくれないかい?』

『断る』


すぱりと即答


『伝えたい事は伝えた
もう会う必要はない』


頑なに拒否する狼炎に
僕は内心でやれやれと肩を竦めた


『それはきみの話だろう
あの子はきみに、何一つ
伝えたいことを伝えられていない』


『知らん』



……まったく
本当に頑固で困ったものだ



大事だから

大切だから突き放した


狼炎の考えも、気持ちも
分からないわけじゃない

それが間違っているとも
僕は言えないけど

でも、そんなのは自分のエゴでしかない


相手の気持ちを無視して

想いも、声も気付かない振りをして

自分の気持ちを押し付けるのは違う