ぱぁっと顔を輝かせて鈴木さんも、うんうん。
「ごいっしょさせていただければ。わたしたちはうれしいですっ!」
「ほら岡本さん。美術館組さんもそう言ってますし。あなた、ここからみんなを先導してくださいな」
 (ぷっ…)
 ごめん、岡本。
 わたし、さっきまで泣いてたのにね。
 見ないふり、してもらったのにね。
 そんなに怒らないで、笑うから。

 美術館組のスケジュールはわからないけど、岡本が立てた分きざみのスケジュールには遠く及ばないだろうことは見なくてもわかる。
「ささ。では、まずはお寺さんですね。――まいりましょう」
 見るからにウキウキと歩き出した山田の背中をにらみつけて。
「ジョーダンじゃない!」
 岡本と掛居の、吐き捨てるような声がそろったのを、間近で聞いたのはわたしだけだ。
 そもそも岡本の立てたスケジュールを知っている恭太は、ホームで掛居がわたしをかまっている間に、ひとりすたすたと歩きだして。
 あわててあとを追ったベンチ組を先導していた。
 あからさまに不機嫌な早足で、掛居と岡本はそれを追っていってしまうし。
 縦に細長く伸びた集団の最後尾で、気づけばわたしの横には山田。