恭太を好きな岡本の気持ちには気づいているだろうに。
恭太を独り占めしようとする掛居のほうが、今回は悪い。
「ねぇ岡本さん」掛居の声は、わたしの頭の上を通り越した。
「思ったんだけど――。女の子ばかりじゃ不安だとか。用心棒のつもりだったのに、とか。思っていた子はいないのかなぁ。もちろん、きみは別にして」
岡本の手のなかで菜箸がぴくり。
お肉のお皿は、岡本の手から、ゆっくり掛居の手に移った。
なんだろう。
いまの会話に、なにか意味が…あった?
「…………」「…………」
ふたりはもうなにも言わない。
言わないから、2台のコンピューターがWiFi接続しているのが見える気がする。
「なるほど」
岡本がニコッ。
「よろしく」
掛居がニコッ。
な…に?
わたしには理解できない次元で、ファイル共有?
「なんなのよぅ。なにする気?」
「あんたには関係ない」
言うなり岡本は、またせっせと鍋奉行役に熱中しはじめた。
でも…なんだかうわのそら。
あんなに怒ったのに、旨み用に残したお肉の横にシラタキを入れてるし。
掛居も変。
お肉はもらったんだから、さっさと自分のテーブルに帰ればいいのに、女子10人の興味津々な視線を一身に浴びて、平然とわたしの頭に手をのせた。
恭太を独り占めしようとする掛居のほうが、今回は悪い。
「ねぇ岡本さん」掛居の声は、わたしの頭の上を通り越した。
「思ったんだけど――。女の子ばかりじゃ不安だとか。用心棒のつもりだったのに、とか。思っていた子はいないのかなぁ。もちろん、きみは別にして」
岡本の手のなかで菜箸がぴくり。
お肉のお皿は、岡本の手から、ゆっくり掛居の手に移った。
なんだろう。
いまの会話に、なにか意味が…あった?
「…………」「…………」
ふたりはもうなにも言わない。
言わないから、2台のコンピューターがWiFi接続しているのが見える気がする。
「なるほど」
岡本がニコッ。
「よろしく」
掛居がニコッ。
な…に?
わたしには理解できない次元で、ファイル共有?
「なんなのよぅ。なにする気?」
「あんたには関係ない」
言うなり岡本は、またせっせと鍋奉行役に熱中しはじめた。
でも…なんだかうわのそら。
あんなに怒ったのに、旨み用に残したお肉の横にシラタキを入れてるし。
掛居も変。
お肉はもらったんだから、さっさと自分のテーブルに帰ればいいのに、女子10人の興味津々な視線を一身に浴びて、平然とわたしの頭に手をのせた。


