『あの時、すごく嬉しかった。私もあなたに「愛してる」と言いたかった。でも、私はドイツから遠く離れた日本に行ってしまう。だから想いを伝えたらあなたの迷惑になるんじゃないかと思ってしまった。でも、日本に来てからふとしたことであなたのことを考えて、きちんと気持ちを伝えなかった後悔ばかりしてしまうの。』

『遅くなってしまってごめんなさい。呆れてくれて構わないし、嫌ってくれてもいい。想いを伝えさせてください。あの時、私に声をかけてくれてありがとう。『愛してる』と言ってくれて、ありがとう。私もあなたのことを、心から愛してる』


ヴェリーナが代筆した手紙を、すみれはヴェリーナと共にドイツへと届けた。すみれの「愛してる」は海を越えて届くのだ。

「ヴェリーナ、代筆していただき、ありがとうございます」

すみれが微笑むとヴェリーナは、「私は何もしてないよ。だって「愛してる」を伝えるのはすみれだから」と言う。

それから数週間後、ギルベルトから届いた手紙にすみれは涙をこぼした。そしてヴェリーナと抱き締め合いながら喜ぶ。

『嬉しい。心から愛してる』