荒れ狂う海、吹き荒れる風。身体を突き刺すように刺さる雨。けたたましい雨の音。

それが全てが消えたんだ、君を見た瞬間。

嵐の中、海の堤防に佇む君は、あまりにも美しくはかなかった。

憂いのある綺麗な目に長いまつ毛から雨が滴り落ちている。くっきりとした二重。そして消えてなくなりそうな白い肌。死を受けいれたような、穏やかな顔。

「死ぬんならさ、私にキミの2ヶ月ちょうだい」

私は嵐の中、とんでもないことを言い、彼の手を取って走った。