近藤君の笑顔、素敵だと思う。
この言葉がどれだけ脳内を狂わせただろう。
木梨はずるい…。
平気でなんで俺が照れてしまうような事を
そういとも簡単に言えるのだ。
木梨は特に意識はしてないだろうが、
俺の気持ちも考えろよ。
中学の時もそうだ…。
今でも覚えている。
ある夏の日委員会の帰り俺と木梨は帰りにコンビニに寄った。
そして、お互い別々のアイスを買う。
コンビニの近くの公園のブランコに
座り、アイスを食べていると
木梨は急に俺のアイスの味気になってきたから1口ちょーだいっと言ってきた。
そして木梨は俺の食べかけの部分を齧る。
この時も俺は恥ずかしかった。
好きな子が俺の食べかけのアイスを食べた。
どんなに俺が顔に出さないように努力しても木梨はそれを越えてくる。
そして木梨は自分の食べかけのアイスを
俺に差し出す。
私のも美味しいから食べて良いよって。
意識しているのは俺だけなんだってこの時も頭の中を混乱に木梨はさせた。
「近藤君?」
「そーゆー事言うの簡単に言うな。」
「////勘違いするから。」
「ちゃんと好きな奴に言えよ。」
「勘違い!?」
「なんで?笑顔が素敵な事は良い事なの」
「にどうして勘違いするの?」
「あああ!もうこの話し終わり。」
「素直に嬉しかった!そう言ってくれて」
「ありがとう。」
「どーいたしまして♪」
こうして俺と木梨は下駄箱に行き
それぞれ靴を履き替える。
だけど俺はまだ先程の言葉が頭にずっと残っていて靴が履けない状態だ。
落ちつけ落ちつけと頭を左右に振っていた。
木梨は俺の靴箱の所にきた。
「近藤君?頭痛するの?」
「木梨!?」
「頭痛?」
「頭、ずっと左右に振ってるから」
「痛いのかなって。」
「いや、違う考え事だ。」
「気にするな。」
「なら良いんだけど。」
「近藤君また明日ね。」
木梨が帰ってしまう。
ここでさよならして良いのか?
木梨と2人になれる時間てそうそうないんじゃないのか?
慎吾の言葉を思い返す…。
後悔するより行動かぁ。
俺は自然に行動を移していた。
「木梨!!」
「ん?」
彼女は後ろにいる俺に振り向いた。
その時に木梨の細くて柔らかい髪が風でなびく。
グラウンドにはオレンジ色に輝く空が
木梨を一段と大人ぽく見てせいた。
「一緒に帰らないか?」
「えっ?」
まさか近藤君から一緒に帰ろうと言う
セリフが出てくるとは思わなかった。
いつもはみんな集まらない時は
1人で帰る人なのに。
「近藤君…いつもみんな集まらない」
「時は1人で帰ってるから」
「てっきり1人で帰りたいのかなって…」
「思ってた。」
「たまには2人とかでも帰ってみても」
「良いかなと思って。」
「それに懐かしいし。」
「なるほど!」
「そーゆー事ね!」
「もしかして木梨、用事あった?」
「用事というかちょっと図書館」
「寄って帰ろうかなと思ってたけれど」
「大丈夫だよ!今度にする。」
「せっかく誘ってくれてから一緒に」
「帰ろうかな。」
「図書館好きなの?」
「うん、時間がある時とかよく図書館」
「行って本読んだり借りたりしてるよ。」
「俺も本が好きで時々行くよ。」
「えっ!そうなの!?」
「どこの図書館に近藤君は行くの?」
「俺は青葉図書館。」
「同じだ!私も青葉図書館!」
「あそこ、本の種類も多いし」
「あと、場の雰囲気が落ち着くの。」
「俺も同じ理由…。」
「じゃ一緒に図書館行こ。」
「うん!行こ行こ!」
俺と木梨は図書館に向かう為、学校の正門をくぐり抜けバスに乗って青葉図書館に
むかった。


