「ねぇ颯太君、名前わかんなかった」
「けどさっきの同じクラスの男子」
「私の何が気になったのかな?」



「なんかずっと前から雫が着けてた」
「眼鏡がどこのだったのか気になった」
「んだって。」



「そーなんだ。」
「それなら普通に教えてあげれば」
「良かったなぁ。」


「まぁ、でも俺が言っておいた」
「林は今の着けてる眼鏡が良く似合う」
「って。」
「だから雫は何も気にしなくて良いよ。」


こうして俺達は体育館裏に着きすでに
来ていた圭介と慎吾と合流した。



「慎吾、圭介お待たせ!」




「おせーよ…って!?」
「木梨さん!?なぜ?急に美少女に!?」

慎吾は目が点になっていた。
無理はない、突然学校でも雫が美少女になったのだから。
あのパンケーキ以来慎吾は雫のこの本来の
姿見てないもんな。




「木梨…!!」

圭介も驚いている。
圭介はどうなんだろう…中学時代の雫と
今の雫同じ感じなんだろうか。
珍しく圭介が口をぽっかり開いたままだ。
そして、圭介はすぐ雫から目を逸らした。


「美少女!?」
「私、そんなんじゃないから」
「そんな事言われるの慣れていから」
「恥ずかしい…。」

雫の顔は見る見る茹でタコのように真っ赤になっていた。
そんな照れ屋な雫も最高だ。



「とりあえず」
「昼飯食べよ!」
「昼休み終わってしまう。」



「そうだよ!」
「みんな早く食べよ!」
「私お腹空いてペコペコ!」



「そそそそうだよね!美桜!」
「私もお腹空いちゃった。」


「木梨、颯、横座って良い?」


「圭介?珍しいなぁお前から」


「確かに…良いよ圭介こっちこいよ。」

「私も良いよ。」


「ありがとう。」
「たまには座る位置気分的に変えたくて」
「いつも同じ位置ちょっと飽きたから。」


こうして、近藤君は私の左側に座り
右側には颯太君が座って私はその真ん中と
言う位置に座った。
向かいに美桜と増田君が座る形となっている。
なっなんだかいつもと感じが違うせいか
すごくソワソワしちゃう。
相変わらず颯太君は調理パンと菓子パンで
近藤君はお弁当。
美桜はいつも自分で作ってきているお弁当をパカっと開けていた。
増田君も颯太君と同じで調理パンと菓子パン。
私はと言うと、いつもはお母さんのお弁当
なのだけれど、今日お母さん体調がすぐれなく私が自分の分と兄ちゃんの分のお弁当を作った。



「あれ?」
「雫の弁当いつもとなんか違うよな?」


「あっ、本当だ!」
「雫が今日作ったの?」


「美桜!すごい…なんでわかったの?」



「だって、雫の好きな物ばかり入ってる」
「からさ。」
「卵焼き、ミニハンバーグ、磯辺焼き」



「へへへ♪」
「お母さん、いつも野菜中心多いから」
「たまにはハンバーグ食べたくて。」


「雫?」


「颯太君!?」

なっ!なんか…顔…ちっ近くない!?
みんないるんだよ?
私は耐えられなくなりチラッと近藤君の方に顔を背ける。

「木梨?」
「あっ、そーゆー事ね。」

木梨の顔が赤い…。
きっと颯が近いからか。
そー言えば木梨をこんな至近距離で見たの
中学振りか…。
少し大人の顔立ちになったな。
相変わらずまつ毛が長い…。
キュッー
ん?キュー?なんか俺の心臓が縮んだ?

「木梨、颯がまだこっち見てるから」
「話し聞いてやりなよ。」



「あっうん////」


あっ……木梨…颯の事好きなんだ。
ギューって…なんだ!
今度は心臓が締め付けられる…。
もしかしてまだ俺…?
いやいやないない。
もうとっくに諦めれているし。
ないない…あってはならない。
木梨は友達の好きな子なんだ…。


「颯太君なに?」



「卵焼き1つ頂戴。」
「と言うか貰うよ。」