ガチャ…
俺は家に着き、リビングにも雫はいなかったのできっと部屋に居ると思い真っ先に
雫の部屋へ足を進めた。
そして雫の部屋のドア前に着きノックを
して雫の部屋に入る。
そうすると雫はベッドでスヤスヤと
眠っていた。
俺は寝ている雫のベッドに向かい雫の
寝顔を見る。
すると朝の事を思い出す…。
俺…雫にキスしたんだった。
すると俺はまた無性に雫に触れたくなった。
と言うかもう身体が勝手に動いていた。
抱き締めたい…もう一度キスしたい。
俺は雫が寝ているベッドに股がり上から
雫を見下ろす格好になっていた。
えっ………?
この状況なに?
こんなはずじゃないよ?
私の作戦は、こんな展開を予想していないよ!
兄ちゃん?
もしかして兄ちゃんもイタズラ考えてたの?
きっとそうだよね…それならこの状況も
納得できる。
イタズラされる前に私がしちゃえば良いんだよね?
バッて起き上がってさ、「わっ!」って
言うやつ。
だけど何故か身体が起き上がらない。
目を閉じてるけれど兄ちゃんの視線を感じる。
どのタイミングで起きれば良いの!?
と言うか…兄ちゃん顔近すぎじゃない?!
そう驚いているのもつかの間次の兄ちゃんの行為に私は目を疑った…。
目を閉じていてもわかる…。
私の唇に柔らかい感触の物が触れていた。
そこから感じる熱に私は初めてキスされている事を理解した。
ジンジンとまだ伝わる熱に私は寝ているフリの限界を感じた。
もうダメ!無理!
私は目を開けた。
そうするとすぐ傍に兄ちゃんが瞼を閉じて私にキスをしている姿が繊細に私の瞳に映る。
私はとても悲しくなった…。
兄ちゃんひどいよ…こんなイタズラ…。
やりすぎだよ…。
私はキスを止めてくれない兄ちゃんに抵抗した。
兄ちゃんの胸を両方の拳で叩いていた。
「し…雫!」
「兄ちゃん…どうして…。」
私は涙が溢れていた。
兄ちゃんが私が起きていた事に気付き、
すぐ唇を離してくれた。
今でもずっと唇から伝わる兄ちゃんの熱が
私の唇から消えてくれない。
私はとりあえずベッドから身体を起こした。
俺は又もや雫の唇に自分の唇を重ねていた。
そして唇から伝わる雫の優しい体温は俺の心を包み込む。
止まらなくなりそうでやめないといけないと頭ではわかってはいる。
だけど…もっと雫とこうして繋がっていたいと欲が出てしまう。
そうなるとやめるタイミングも見つからず
しばらくの間長いキスをしていた。
そして色んな感情が湧き上がる。
なんで俺は雫の兄なんだ…。
どうしてそれで縛り付けられなきゃならない。
俺と雫が兄弟じゃなかったらいいのにと
どれだけ望んだことか…。
そんな事を思いながらキスしていると
現実に戻された…突然胸からドスドスと
少しか弱い力で叩かれていた事で雫が
起きていた事がわかった。
雫の瞳から透明なガラスのように透き通った涙が流れていた。
そして俺が唇を離したすぐに雫はベッドから身体を起こした。
俺はまだ気持ちを伝えるのは早いと
思ってとりあえず言い訳を考えていたが
それより先に起き上がっていた雫を身体が勝手に抱きしめていた。
「雫、ごめん…。」
兄ちゃんはそう言いながら起き上がった私の身体を優しく抱きしめていた。
ごめんねと伝わる優しい抱きしめ方。
昔から喧嘩した時、兄ちゃんが悪い時は
こうしてごめんねの気持ちを身体で伝えてくれていた。
懐かしい兄ちゃんの行動だけど、
幼稚園や小学校の時とは違う大人の身体つきになっていた。
こんなのずるいよ…もうこれ以上怒れなくなるじゃん。
そう思っているとそっと兄ちゃんは私の身体から離れていた。
「兄ちゃん…どうしてなの?」
「こんなイタズラ次はしないで。」
「キスはいつか好きな人ができた時に」
「するものだよ?」
「そりゃ私も兄ちゃんを驚かせようと」
「寝たフリをして兄ちゃんが近くに」
「来たら驚かせようと作戦していた」
「私も悪かったからお互い様。」
「だけど私のファーストキスはカウント」
「入れないから安心して。」
バカ…気付けよ俺は雫が好きだからしたんだよ。
雫は俺が言い訳を言う間も与えないまま
雫は早口で必死に言葉を発していた。
雫のファーストキスはカウントなしかっ…。
まぁ良い…ちゃんと気持ちを伝える決心ついた時にもう一度キスして今度は本気だって事を言う。
「わかった…。」
「あっ、雫お前寝たフリとか」
「してたのか!?」
「だったら!嫌だったらすぐに抵抗」
「しろよ!」
「できるわけないでしょ!」
「突然追いかぶさってくるし、」
「顔近いし…キスされるし。」
「初めての事ばかりで身体が」
「動かなかったの!」


