母さんの発言で俺は腕時計を確認する。
そうすると16時に針は指していた。
俺は雫が心配でたまらなくなっていた。
アイツ1人でちゃんと夜過ごせるのか?
1人で寂しくて泣いてたりしてないか?
熱、朝より上がって体調が更に悪化していないか…。
早く…早く雫に会いたい…顔を見たい。
「母さん、父さん、ばーちゃんごめん。」
「俺、家帰る。」
「えっ!?」
「優馬どうしたの?」
「急に帰るって…。」
「雫が心配なんだ。」
「アイツ寂しい時も寂しいって言わない」
「んだ我慢しちゃうんだよ。」
「それに、体調の事も心配だからさ、」
「俺だけでも家に帰ってやったら」
「少しでも、寂しくないだろ?」
「それに俺は兄貴だから心強いと思う」
「から…。」
「1人より2人いた方が家に泥棒とか」
「入って来れないだろう?」
「お父さん、どうしましょ…。」
「優馬、ちゃんと雫の事父さんや」
「母さんが帰るまで守れるか?」
「あぁ!」
「家も雫も守って見せる!」
「わかった…なら、行きなさい。」
「優馬、雫をお願いね。」
「私もお兄ちゃんが傍に居てくれてる」
「方が安心してこっちに居れるわ。」
「ありがとう、母さん父さん。」
「優馬やぁ、気をつけて帰るんじゃよ。」
「今日は来てくれてありがとう。」
「元気な優馬の顔見れてばーちゃんは」
「元気を貰えたよ。」
「これで腰も良くなるよ。」
「ばーちゃんまた遊びに来るからな。」
「今度は雫も連れてくる。」
「あぁ〜連れておいで。」
「それじゃ、母さん父さん先帰るな。」
「気をつけてね優馬。」
「くれぐれも怪我のないように。」
「行ってらっしゃい。」
こうして俺は雫が留守番している自分の
家に帰る為、ばーちゃん家から出て
ばーちゃんの住んでいる最寄り駅まで走って向かった。
とにかく早く雫に会いたい。
今はその事だけしか頭に残ってなかった。
※優馬編※ end
私は自分の部屋でくつろいでいた。
体調もだいぶん良くなり、身体が軽い。
私はまず、どこから変わっていこうか
考えていた。
まず、学校でも髪を下ろし、眼鏡をかけずに普段の私のスタイルで登校することから始めようかな。
すごく緊張するけど。
でも私は変わりたい。
普段の私を颯太君に見て欲しいとそんな気持ちが芽生えた。
私1人じゃない。
今、みんな仲間がいる強くなれるそう感じさせてくれたのはみんなのおかげ。
だから私もちゃんと過去の事から縛られないで前へ進みたいと本気で思った。
すごくみなぎってくるこの本気度は
私自身本当びっくり(笑)
恋ってすごいなぁと思わされちゃった。
あっ、そうだ今日のお礼…颯太君にLINEで
送っておこう。
私は、LINEを開き颯太君にお礼のメッセージを自分なりに精一杯の気持ちを込めて
送信ボタンを押した。
そろそろ時間的にも兄ちゃん帰ってくる
頃だろうから、今日の朝勝手に颯太君の電話に出たペナルティとしてお仕置きを
しなきゃ(笑)
寝たフリをしてベッドに近づいてきた段階でバッと起き上がって驚かせる作戦で行こ。
こうして私はベッドに潜り寝たフリを
した。
しばらくすると、ガチャっと鍵を開ける音と玄関の開いた音がした。
そして階段を上ってくる足音はドンドン近付いてきた。
次は足音が私の部屋の目の前で止まる。
兄ちゃんが入ってくる。
「雫入るぞ。」


