初恋物語~大切な君へ



※優馬編※



俺はあれから、家を出て母さんと父さん
だけでばーちゃん家に向かった。
そしてばーちゃん家に着くとばーちゃんは
すごく嬉しそうに招き入れてた。
雫の言う通り来て良かったと思う。
だけど…雫の事も心配で仕方なかった。


「優馬また一段と大きくなったねぇー。」
「元気な優馬の姿見れて嬉しいよぉ。」



「ばーちゃん俺の事より」
「腰大丈夫なのか?」
「無理はすんなよ?」



「はいーはいー無理はしないよぉ」
「ありがとうじゃよ。」
「さぁ、さぁお茶飲みんねぇ。」
「美智子さんも、英二も。」
「おや?雫はどーしたんじゃ?」



「お義母さん、雫はさっきも言った」
「ように風邪引いて今日は家で」
「安静に休ませたのよ。」
「雫すごく行きたそうだったのだけど」
「ばーちゃんに移してもダメだし」
「みんな私の代わりに行って」
「ばーちゃんを喜ばせてあげてって。」




「あぁーそうじゃった」
「そうじゃった。」
「雫はほんまぁ優しい子に育ったのぉ。」
「雫もいつか結婚して美智子さんみたい」
「な良い奥さん、良い母親になるねぇ。」



「ぶっー!?」

結婚!?
俺はばーちゃんの発言に過剰に反応して
思わず飲みかけのお茶を噴いてしまった。



「ちょっと!優馬!」
「なにしてるの?!」
「お義母さんすみませんテーブル」
「汚してしまって。」


「大丈夫じゃよ。」
「拭けば良いだけじゃ。」
「それより優馬大丈夫かい?」



「ばーちゃんごめん。」
「俺は平気…ちょっと噎せただけ。」

「気をつけるんじゃよ。」


「う…うん。」



「お義母さん、あの子ねだいぶん」
「良い方向に変わってきているんです。」
「中学のイジメ以来暗くて引っ込み」
「事案で美桜ちゃんや優馬や」
「私達にしか素を見せなかった子がね」
「最近お友達が出来たみたいでそこから」
「徐々に笑顔も増えてきてね。」
「私達すごく嬉しくて。」



「雫すごく良い方向に変わって」
「良かったのぉ。」
「ばーちゃん安心じゃよ。」



「後は、あの子がちゃんと過去を克復」
「して、素敵な男性に巡り会えて」
「彼氏でも作ってくれるのがもう1つの」
「夢なのよ。」



母さんの言ってる事に俺は1つ1つ胸が張り裂けそうでたまらなくなった。
雫に彼氏…か。
考えるだけで心臓エグられる。
雫に彼氏できたら俺…ちゃんと平常心で
接していけるのか?



「雫には無理だろ。」



「優馬、それはわからないわよ!」
「最近本当雫少しずつ変わってるのよ」
「もしかしたら好きな男の子でも」
「できたかもよ♪」
「もし、そうだとしたらお母さん嬉しい」
「ねぇ?あなたも嬉しいでしょ?」


「そりゃ娘が幸せなら嬉しいさ。」



「俺は…雫が離れていくのは嫌だ。」



「あらあら優馬は妹に溺愛してるわね。」
「そろそろ妹離れしないと」
「もう高校生でしょ?」
「いまでも雫の面倒見てると」
「優馬自身、彼女できないわよ?」
「そんなのお母さん、お父さん悲しいわ」