「私、正直言うと怖い…です。」
「わからないんです。」
「好きって言ってもらえて嬉しいですが」
「吉川颯太君の事何も知らない。」
「これからお互いを知って行こうよ。」
「過去は過去の人で俺は俺だ。」
「そいつとは違う。」
「新しい1歩をさ俺達と進も。」
「友達から知って行けば良い。」
「もしその中で俺を好きになるか」
「友達のままかは木梨さん次第で」
「木梨さんの気持ちが大事だから。」
彼の言葉に救われた気がした。
彼は付き合ってとかは言わなかった。
私の気持ちを尊重してくれている。
私、美桜も言ってたように前へ進んで良いよね…彼なら私を変えてくれるかもしれない…。
今回改めて思った。
彼の色々な噂は聞くけど私は噂みたいにチャラくも見えないし、真っ直ぐな気持ちが伝わる。
「お友達なら…大丈夫です。」
「よろしくお願いします…。」
そう言葉にした瞬間、急速に頬が熱くなる
のが確認しなくてもわかった。
こんなの初めてでどう対象して良いかわからない。
ただ、私自身は彼の事をそこまで嫌ってはなく、彼の真っ直ぐさに応えたくなった。
だから、自分でも不思議なくらい自然と
お友達なら…っと言葉が出たのだと感じた
。
「き…木梨さん!」
「本気?!本当に?!」
「友達になってくれんの?!」
待て…これ夢じゃないよな?
木梨さんがお友達ならって…OKって事
だよね?
ヤバ…超嬉しい!
俺、嬉しすぎて泣きそうだわ(笑)
しかもなんだよ…その照れながら言うの
可愛いすぎて反則だろ。
これで1歩進めた…後は好きになってもらうために頑張らないとな。
「あっ…はい。」
「私で良ければですけど。」
「吉川颯太君を信じてみようと」
「思いました。」
「俺は木梨さんが良いんだよ!」
「木梨さんじゃなきゃ駄目なんだ。」
「俺を信じてみようと思ってくれて」
「ありがとう。」
俺は自然に木梨さんの両手を握っていた。
こんなに嬉しい事ある?
これからはいっぱい話せるし、いっぱい
木梨さんと過ごせる事ができる。
ゴールまでの道のりはまだまだ先だけど
本当頑張れる。
「ふぇ!」
「手!手が…」
きゃ!
手…手握られてる!?
吉川颯太君が私の両手を気付いた時には
握られていた。
今まで、美桜や兄ちゃんしか手を繋いだ事もなかったからすごく恥ずかしくて心臓に悪い。
「あっ!ごめん嬉しくてつい。」
「大丈夫です。」
彼は謝って手を離してくれた。
離された手にはまだ、感触と温もりが残されていた。
「ねぇ、木梨さん。」
「もう友達だからさ、敬語と」
「フルネームで呼ぶのやめてみない?」
「でっ…でも。」
「馴れ馴れしくないですか?」
「吉川颯太君は嫌じゃないんですか?」
「俺?」
「俺、全然嫌じゃない。」
「むしろ友達なのに敬語にフルネーム」
「ってぎこちないし変だろ?」
「俺はもっと、フレドリーに話すのが」
「好きだな。」


