私は今6限目が終わり今日の授業が終わりとホッとひと息をつくがこれから、
1番の難関が待っているのだと現実に戻される。
チャイムが鳴り担任の先生が入ってきて、
連絡事項とかを話していたけれど私の耳には内容が入って来ず、これから私は吉川颯太君になんの話しをされるのかで頭の中が
いっぱいいっぱいになっていた。
「みんなー気をつけて帰れよ!」
っと担任の先生の掛け声と同時に生徒達は
教室から出て行く。
私はすぐには動けないでいてどんどん減って行く生徒を見送った。
そんな中、美桜からLINEが来た同じタイミングで吉川颯太君も教室から出て行った。
いよいよか。
その前に美桜のLINE見なきゃ…
「雫ー!」
「美桜…今から美桜のLINE確認しようと」
「思ってたところ。」
「ごめんごめん送ったけど」
「直接言った方が早いかなと思って」
「言いにきたの。」
「美桜…私…」
「雫…大丈夫だよ」
「何かあったら私が直ぐにそっちに」
「駆けつけて雫を泣かしたりしたら」
「吉川颯太にビンタでも食らわして」
「あげるわ!」
「だから雫…大丈夫1人じゃないよ。」
「安心して行ってきなさい。」
「私は後で体育館付近で待機」
「しておくから。」
「それを伝えに来た。」
「美桜心配してくれてありがとう。」
「美桜大好き!」
「行ってくるね!」
私は美桜に一旦の別れを告げ、体育館裏へと重たい脚を1歩1歩前へ進ませた。
いつも学校を出る時に歩くこの廊下は
今日はいつになく静かに感じた。
廊下の窓から見上げる空は10月と言う事もあってか既に茜色の空に変化していた。
長いこの廊下を歩いてると左側に階段がありその階段を降りて右に曲がれば体育館だ。
重い脚を無理矢理進めて行くと大きな体育館が夕陽に照らされていてなんだか綺麗だった。
私は体育館に近づいて裏口に向かっていた。
とうとう辿り着いてしまった。
私の少し前の方に背の高くて細い金髪男子のシルエットが見えた。
※颯太編※
やっと6限目が終わるチャイムが教室中になり渡り今日1日の授業が終わりを告げた。
俺はスマホをチェックするとそこには、
慎吾と圭介からのメッセージが残されている。
内容は「頑張れ」と言うメッセージ。
その一言で何に対しての頑張れかは言わなくてもわかっていた。
担任の先生が教室に入ってきて連絡事項を
告げた後、先生はそのまま教室を出て行く。
いよいよ放課後だ。
俺は後ろにいる木梨さんの様子が気になり
チラ見をしていた。
木梨さんはやっぱり緊張しているみたいで
俯いたままだ。
俺がチラ見していることも気付いていない。
さて、行くか…。
俺は教室を出て長い廊下を歩いていると
女子4人グループに話しかけられていた。
「颯太君!」
そう俺を呼んだのは4人グループの中のリーダー的な存在の人だ。
甘ったるい声を出してきていかにも好意ありますよってアピールしてきている感じに思えて。
「どーも。」
「ねぇ颯太君覚えてる?」
「私の事!」
「えーーっと。」
正直何も覚えていない。
誰だか分からない。
それより早く体育館裏に行きたくてどうしようもないくらい焦っていた。
木梨さん待たせてしまうんじゃないかと。
「私、5月に颯太君が近藤君達と」
「居てたファミレスに居てて」
「一緒にご飯食べよって言ったら」
「良いよって言って一緒に食べた」
「浅井花音です。」
「あぁ、何となく思い出した。」
「ごめんねあまりハッキリ思い」
「出せなくて。」
「ううん!少しでも思い出して」
「くれて嬉しい!」
「あの後、ずっと声かけたかったけど」
「颯太君の周りにはいっぱい女の子いて」
「なかなか声かけられなかったけど」
「ここ最近颯太君の周りに女子あまり」
「いないし、今颯太君1人だから」
「声かけたいなぁって思っちゃって。」


