俺達は体育館裏にあるボロいベンチに
腰を下ろした。
よく昼休みここで集まっている。


「で?颯、話しってなに?」



「圭介早っ!」
「もしかしてすごく気になってる?」
「颯太がなにを話すか。」




「うん。」
「気になる。」
「わざわざ呼び出すくらいだし。」



「圭介あのな、俺…」
「木梨さんが好きなんだ。」




「えっ…?」
「なんで?いつから?」

普段あまり顔に出さない圭介が珍しく
目をまん丸にさせて驚いていた。
そのまま俺は今までの出来事を圭介に
話した。


「なるほど…。」
「っで颯は告るの?」

圭介はどうしてか少し歯切れの悪い表情を
している。
今日の圭介は珍しい…ころころ表情が
変わる。


「最終的には告るよ。」
「でも、木梨さんきっとさ困ると思う」
「から最初は友達からって思ってて」
「それにお互いまだどんな人かも」
「わからないからその方が良いって」
「思ってさ。」
「だけど、必ず俺が木梨さんを幸せに」
「したい。」



「だから慎吾と圭介にも力貸してほしい」
「と思ってこうして集まってもらった。」



「俺は全然協力するぜ!」
「こーゆの楽しいじゃん?」


「サンキューな慎吾。」



「………。」



「圭介?」

やはり圭介はどことなく困った顔している。
もしかしてなにかあるのか?
いつもの圭介らしくない。



「はぁ…。」
「俺も正直に言うよ。」



「「えっ?」」

俺と慎吾は拍子抜けた声を発していた。
なんだなんだこの流れ…


「俺さ小中学、木梨さんと同じ学校で」



「中学一緒とは圭介言ってたから」
「知ってる。」
「小学校も一緒だったんだな。」


「うん。」
「んで、俺が初めて好きになった人でも」
「あって…。」



「ぇぇえええ!?」

慎吾は口をポカンっと開けながら
圭介と颯太の顔を見渡す。


「圭介…それマジで?」
「じゃ、俺らライバルって事?」


「颯、落ち着いて聞けって。」
「まだ続き言ってないから。」



「ごめん…。」



「でも俺は諦めたんだ。」
「中学の時…。」
「俺には力不足で助けてあげられ」
「なかったし、周囲の目が気になって」
「木梨さんイジメられてるの」
「見て見ぬふりをしていた。」
「守れなかった…俺が、木梨さんを」
「好きなる事は許される事じゃないって」
「なって諦めた。」



「圭介…」

俺はただ圭介の名前を呼ぶ事しか出来なかった。
圭介が木梨さんを好きだったんだ。

「圭介今は?」


「だから言ったろ?」
「諦めたってだから俺の初恋は」
「終わった…。」
「颯が俺に話ししてくれたから俺も」
「話とかないとっと思ってね。」
「隠されたまま嫌だろ?」
「ツレが前好きだった相手って知らない」
「ままこれから接するの。」