「雫!優馬!」
「そろそろ美桜ちゃん来るわよ。」


「もうこんな時間!?」
「兄ちゃん行こ!」


私と兄ちゃんは玄関に向かってそのまま
玄関の扉を開けたら既に美桜がインターフォンを鳴らす手前だった。




「雫!優君おはよう!」

美桜は今日もサラサラのボブヘアをヒラヒラとなびかせて元気いっぱいの笑顔で
挨拶してきた。



「はよ。」



「美桜ーーおはよう!」




「さて!今日も頑張りますか!」


私達はいつも通りの時間いつも通りの
通学路を通って楽しく学校へ向かい
今日1日の物語が始まった。
無事私達は学校に着いて、兄ちゃんは2ー1
私と美桜は1ー3の教室に入った。
私は昨日恐れていた、月曜日学校に
行ったら噂が広まってまた私の居場所が
なくなると怖がっていた事が嘘のように
なにも変わらないクラスの風景が写しだされている。
思わず安堵のあまりホッと体の力が抜けたのがわかる。
そして、昨日の出来事はその日の当日の夕方に美桜に電話して話していた。


「雫良かったね!」
「噂流れてないみたいだね。」




「うん。」
「なんだかホッとして体の力抜けそう。」


「雫…既にもう吉川颯太自分の席に」
「座ってるわよ。」



「えっ…?」


どうしょう…なんだか気まずいよ。
昨日の今日でしかも、昨日吉川颯太君のことばかり考えてたから変に意識してしまう。
でも自分の席にも行かなきゃだし
ここでしどろもどろしてるわけにはいけない。

「美桜席に行くね。」



「分かった…頑張れ雫。」




俺は今日、早めに自分の席に座っていた。
木梨さんに話しかけるためにだ。
昨日あの後慎吾と別れる前、月曜日の朝早めにいつもの体育館裏の俺達のたまり場
にきて3人で集まってもらうようお願いをした。
その時に圭介にも俺が木梨さんの事好きで今後どうしたいかという内容を聞いてもらう事にと思って圭介にもLINEで送っていた。





※体育館裏※


先に来ていたのは圭介だった。

「颯、おはー。」

俺は圭介に颯と呼ばれている。
入学して友達になってからずっとだ。
圭介は慎吾と真逆な性格だ。
凄く冷静で物事を判断し、なおかつ学年トップの成績でこの学校No.2のイケメン
とも言われている。
黒髪のストレートヘアで金色縁メガネをかけていてそれがとても似合っていて、
男の俺から見てもかっこよくみえる。

「おはよう圭介。」
「今日、早くからごめん呼び出して。」


「ああ…全然平気。」
「颯がこうして呼び出すくらい大事な」
「話なんだろ?」


「うん。」
「圭介にも話しておきたい事と」
「力を貸してほしい事があってさ…。」



「わかった。」
「話もきくし、力貸せれるような内容」
「だったら力になるよ。」



「ありがとう。」
「心強いよ圭介。」




「おーい2人ともごめん待った?」


「「大丈夫俺らも今来たとこ。」」