秋になり、少し肌寒い季節に
変わりはじめてきた季節。
私は颯太君の事を忘れられるどころか
好きの想いが募るばかり。
圭介との交際もあまりうまくいかなくなって
きたのを薄々と感じている。
きっと圭介も勘づいているに違いない。
夜の関係も次第に減っていった。
このままじゃいけないのはわかっている。
お互い口にしないだけでわかっている。


私は今、美桜の家にお邪魔している。


「雫ぅーー!」
「おーい!」
「戻っておいでー!」


そう言って美桜は私の両頬を手のひらで
包み込んだ。
凄く心配してる顔でこちらを見てくる。



「みぃひょう……」

頬を両手で挟まれてる事により、
うまく話せなくなる。



「あっ、ごめんごめん手邪魔だね(笑)」




「美桜ごめんね。」
「考え事してた。」



「もしかして、圭介君とうまくいってない?」



「私が悪いの……。」
「私……颯太君の事全然忘れられなかった。」



「今でも好き?」



「うん……好きが募るばかりで。」



「そっか。」
「颯太君日本に帰ってきちゃったもんね。」
「圭介君とはどうするの?」
「このままはちょっとマズイよね。」



「もちろん。」
「このままにするつもりはないよ。」
「別れようと思う。」



「うんその方が良いと思う。」
「ちゃんと話せば圭介君、わかってくれるよ。」
「1番雫の事理解しているし」
「考えてくれているし。」



「ただ中々タイミングが合わなくて。」
「来週の慎吾君の結婚式の時が最短」
「なんだけど、縁起悪いよね。」



「まぁ、確かに縁起悪いけど」
「大事な事だし仕方ないと思うけど?」



「だよね……。」



「でもさぁー」
「多分圭介君もう気付いてんじゃないの?」



「うん絶対気付いてると思う。」
「最近、中々会えなくなってて」
「きっと、距離置かれてるのかなと思う。」



「うーん」
「距離置くと言うより、多分雫から」
「別れ話をされのではないかと不安なんじゃない?」
「頭では現状の事理解していても」
「心が追いついてないみたいな。」



「その可能性もあるのか。」




「まぁでも、慎吾君の結婚式終わったら」
「時間作ってしっかり2人で話した方が」
「良いのは確実だからそうしなよ。」



「うん、そうしようと思う。」



「よし、とりあえずは解決できそうね!」


「美桜ありがとう。」
「相談して良かった。」



「なんのこれしき!」
「あっ、今日泊まっていきなよ。」
「もう終電ないでしょ?」
「優馬も心配するしさ(笑)」



「兄ちゃんは心配性だからな(笑)」
「2人に心配かけたくないから」
「泊まっていくよ。」
「仁奈ちゃんの寝顔も見たいし。」


仁奈ちゃんは美桜と兄ちゃんの中にできた
子供。
もう3歳になるのかぁ……子供成長は
早いなぁ。
私は癒されに、仁奈ちゃんの寝顔を見て
眠りについた。