圭介が険しい顔をして相手を
睨みつけている。
「警察呼びますよ。」
圭介がそう言って反対の手でスマホを
耳元にあてた。
「うざっ。」
そう言葉を吐き捨てて圭介の手を
振りほどき相手は去って行った。
「雫大丈夫か?」
「何かされたか?」
そう言って圭介は颯太君から私を
引き離し抱きしめられた。
「大丈夫……。」
「颯太君が助けてくれたから」
「何もされてないよ。」
「それなら良かった。」
「待たせてしまってごめんな。」
「颯、雫を助けてくれてありがとう。」
「あっうん。」
「たまたま、通りかかったから。」
「んじゃ、俺は帰るよ。」
「颯太君ありがとう。」
「本当にありがとう。」
泣きそうな目で俺を見てそう言う。
このまま奪い去りたい。
俺の所に戻ってきて……。
そんな言葉が出そうなのを
必死で我慢し、無理やり笑顔を作って
その場を早歩きで後にした。
「雫……。」
「…………。」
雫の元に俺の声なんて届いてはいなかった。
ずっと、颯が去って行く後ろ姿を見つめて
いた。
「雫!」
「ごめんなさい。」
「ボーッとしてた。」
「店予約してるから行こ。」
「あっうん。」
「その前に圭介、さっきはありがとう。」
「助けてくれて。」
「俺がもっと早く着いとけば」
「雫がこんな怖い思いしなくて済んだ。」
「遅くなってごめん。」
「ううん。」
「圭介が来てくれて心強かったよ。」
「さぁ、気を取り直して飯食にい行こ。」
この日がきっかけでこれからの出来事を大きく
動かすなどこの時私はまだ知るよしも
なかった。
第18章 それぞれの想い
END
睨みつけている。
「警察呼びますよ。」
圭介がそう言って反対の手でスマホを
耳元にあてた。
「うざっ。」
そう言葉を吐き捨てて圭介の手を
振りほどき相手は去って行った。
「雫大丈夫か?」
「何かされたか?」
そう言って圭介は颯太君から私を
引き離し抱きしめられた。
「大丈夫……。」
「颯太君が助けてくれたから」
「何もされてないよ。」
「それなら良かった。」
「待たせてしまってごめんな。」
「颯、雫を助けてくれてありがとう。」
「あっうん。」
「たまたま、通りかかったから。」
「んじゃ、俺は帰るよ。」
「颯太君ありがとう。」
「本当にありがとう。」
泣きそうな目で俺を見てそう言う。
このまま奪い去りたい。
俺の所に戻ってきて……。
そんな言葉が出そうなのを
必死で我慢し、無理やり笑顔を作って
その場を早歩きで後にした。
「雫……。」
「…………。」
雫の元に俺の声なんて届いてはいなかった。
ずっと、颯が去って行く後ろ姿を見つめて
いた。
「雫!」
「ごめんなさい。」
「ボーッとしてた。」
「店予約してるから行こ。」
「あっうん。」
「その前に圭介、さっきはありがとう。」
「助けてくれて。」
「俺がもっと早く着いとけば」
「雫がこんな怖い思いしなくて済んだ。」
「遅くなってごめん。」
「ううん。」
「圭介が来てくれて心強かったよ。」
「さぁ、気を取り直して飯食にい行こ。」
この日がきっかけでこれからの出来事を大きく
動かすなどこの時私はまだ知るよしも
なかった。
第18章 それぞれの想い
END


