「雫、近藤君冷めないうちに」
「夜ご飯たべたら?」
「そだね、それじゃお言葉に甘えて食べよかな。」
私と圭介君は、ダイニングテーブルの椅子に腰かけ
美桜の手作りジャーマンポテトとサラダとご飯を
食べた。
やっぱり美桜のご飯はすごく美味しいと
改めて再認識した。
そして、みんなで他愛のない話しをしながら
ほっこりとしたひと時を過ごした。
「美桜、そろそろ私家に帰るね。」
「ご飯美味しいかった!」
「ご馳走様でした。」
「夜も遅いから泊まっていったら?」
「家に仕事する資料があるから今日は」
「辞めておこうかな。」
「わかった。」
「学校の先生も大変だね。」
「めっちゃ大変(笑)」
「でも生徒達みんな可愛いからやり甲斐あるよ。」
「後、職員みんな良い人だし仲良し。」
「今度、同期と飲み会があるんだ。」
「めっちゃ楽しそうじゃん!」
「雫良かったね!」
「飲み会楽しんできてね。」
「雫、そろそろ。」
「木梨、ご飯ご馳走様。」
「身体、無理するなよ。」
「近藤君もね。」
「あっ!近藤君ちょっと。」
そう言って美桜は近藤君を自分の所に来るように
手招きをして、近藤君の耳元でヒソヒソ話を
し始めた。
「うん。」
「もう、そろそろと考えてる。」
「そっか。」
「ファイト!」
「圭介君ならきっと大丈夫。」
「私、圭介君にしか出来ないと思うよ。」
「ありがとう。」
「また報告する。」
「OK。」
「じゃ、2人とも元気で。」
「美桜兄ちゃんまたね!」
「気をつけて帰ってね。」
「気をつけて帰れよ。」
こうして私と圭介君は美桜家を後にした。
「雫、送ってく。」
「えっ?」
「いいよいいよ。」
「今日圭介君電車でしょ?家着くの遅くなるし。」
「それに疲れてるからちょっとでも早く」
「帰った方が良いよ。」
「私、ここから徒歩15分だから平気だし。」
「いいや。」
「送って行く…送らせて。」
「雫と少しでも一緒に居たい。」
サラッと圭介君は私が恥ずかしくなるような
言葉を言ってくる。
こんなこと言われたら世の中の女性みんな
胸キュンしてしまうよ?
圭介君に女性の話しないけど何でだろう。
もしかして私がまだ颯太君の事引きづっている
の分かってて、放っておけないから?
それに私が甘えちゃってるからせっかくの
出会いも邪魔しちゃってるのかな?
もしそれなら私駄目じゃん。
今度時間作って聞かなきゃ。
そんな事を考えながら圭介君と一緒に
家まで歩いて帰った。


