「お願いってなに?」


「雫の傍に居てやって欲しい」
「雫を守ってやって欲しい。」


「颯に言われなくてもそうつもりだ。」
「俺、遠慮しないから。」
「雫の気持ちが1番大事だから」
「最終的に結果がどうなっても攻めるなよ?」


「もちろん。」
「雫が幸せなら俺は、それだけで救われる。」


「んで、木ナッシーにはいつ言うの?」


「今日この後にでも言おうかなと。」


「颯太はイタリアにどのぐらい居るのか」
「大体はきまってんの?」


「決まってないよ。」
「いつ日本に帰れるかは未定。」
「でも、一時帰国はするつもり。」


「そっか…木ナッシーショックだろうな。」
「突然だし、それに俺らよりダメージは」
「大きくなるだろうし。」
「本当、俺達で守ろうな圭介。」


「うん。」
「あっ、颯は雫には理由を言うの?」


「本当の理由は言わない。」
「言ったら、そんなの私の家の事は気にしなくて
良いって言うに決まってるから。」


「そっか…。」
「それで颯が後悔しないのであれば」
「俺達は何も言わないよ。」


「うん。」
「後悔はしない。」


「颯太、そろそろ俺は帰るよ。」
「この後、木ナッシーに話しするのなら」
「あまり遅くならない方が良いだろ?」


「慎吾、圭介、ありがとう。」



「あぁ。」
「颯…あまり雫に苦しい顔は見せないでやってくれ。」


「もちろん。」


「じゃな、颯太。」
「イタリア行く前には顔みせろよな。」


「もちろん。」

圭介と慎吾は普段の笑顔を俺に見せながら、
その場を後にした。

よし、気持ちを落ち着かせて雫に電話かけて
会いに行こう。