私は、わくわくしながら言われるがままに
目をそっと閉じた。
特別なプレゼントって一体なんだろう。
そう頭で考えていると左の手をそっと触れ
られたのが感触でわかりすごく気になりながらも懸命に目を閉じ続けた。




「雫、目を開けて良いよ。」



「ん…」
「目閉じすぎちゃった(笑)」



「雫らしいなぁ(笑)」
「左の薬指見てみ。」



「えっ!」
「指輪!なんて綺麗な!」
「これ高かったんじゃないの!?」




「ほらペアリングだよ!」
「俺のはシルバーの方で裏に雫の名前を」
「ローマ字で入れてもらって」
「雫のはピンクゴールドで俺の名前が」
「ローマ字で刻印されてる。」
「無地でめちゃくちゃシンプルだけど」
「綺麗で品があるでしょ?」



「うん!めちゃくちゃ綺麗!」
「どうしよう泣きそうだよ…。」
「嬉しくて嬉しくてこんなに幸せで」
「私、良いのかなって思ってしまう」
「くらい胸いっぱいで嬉しい!」
「ありがとう。」



「これから毎日付けとこうな。」
「俺らの証だ。」



「うん!」
「常に身に付けて外さないよ。」



こんなにも幸せな事ってあるのだろうか。
私はこの時ずっとずっとこんな幸せな毎日が
続くと思っていて
例えどんな困難が2人に待ち受けても2人
なら乗り越えていけると浮かれていたのかも
しれない……。
まだまだ未熟な2人には想像もつかないほど
この時はこれから起きる事は何も知らない
まま幸せな日々はこの時が最大だったのかもしれない。



※第12章 雫の誕生日※
END