「幸せそうに雫は食べてくれるから」
「こっちまで幸せな気分になるよ。」
「美味しいものはやっぱり頬が緩く」
「なっちゃうよ。」
私と颯太君は誕生日ケーキをあっという間
に完食して、今は久しぶりにゆっくりと
おしゃべりをしている。
「雫、最近俺学校行けてないじゃん?」
「だから学校での話しききたいなぁ。」
「色々あるよ!」
私は颯太君に新学期になってから学校で起きた出来事をたくさん話した。
「いいなぁ」
「早く来週来ないかな。」
「みんなとまたバカみたいに笑いたい。」
「あと4日経てばみんなに会えるね。」
「みんなも颯太君に会いたがってたよ。」
「慎吾君なんて颯太不足で頭がアホに」
「なりそうなんて言いながら首振って」
「たよ。」
「慎吾らしくて安心した。」
「確かに(笑)」
「慎吾君らしいよね。」
「なぁ雫。」
「ん?なに?」
「雫に誕生日プレゼントがあるんだ。」
「あと、特別なプレゼントも。」
「えっ!嬉しい!」
「なんだろう。楽しみだなあ!」
「まず、誕生日プレゼントから。」
「はいこれ。」
「気に入ってくれると良いんだが。」
俺は雫に少し小さめのプレゼントの箱を
渡した。
喜んでもらうまでは緊張で胃に穴が開きそう
なぐらいドキドキする。
本当に喜んでくれるだろうかと言う緊張感
って怖いと思った。
「なんだろう。」
「早速開けさせてもらうね!」
私は颯太君から受け取ったプレゼントの箱のラッピングを丁寧に剥がし箱を開ける。
するとリンゴの形をした香水がそこには
丁寧に入っていた。
リンゴの形をした香水を優しく丁寧に箱から取り出した。
「なにこれ!」
「めちゃくちゃ可愛い!」
「付けて良い?」
「もちろん!」
私は早速首筋にワンプッシュふりかけた。
すると最初にリンゴのほのかに甘い香りが
広がり徐々にシャボンの香りへと変化して
いきすごく良い香りが私の身体を纏った。
「すごく良い香り!」
「私、この香りすごく好みだよ!」
「颯太君ありがとう。」
「大切に使うね。」
「喜んでくれて良かった。」
「誕生日プレゼントは香水って」
「決めてたんだけどなかなか良いのが」
「なくて3店舗目の店内入ったら」
「この香りがして」
「この香り絶対、雫のイメージに合う」
「って即決だったんだ。」
「ボトルもすごく素敵で使い終わっても」
「飾って置けるから本当に気に入ったよ。」
「ありがとう颯太君。」
「いいえ!」
「本当に良かった。」
「次は特別なプレゼントを渡すから」
「目を閉じてくれる?」


