差し出された包のリボンをほどき
中身を取り出す。
「こ·····これ!!」
「ベアーキャットの新作!!」
「私が欲しかったぬいぐるみだ。」
「ありがとう!」
ベアーキャットは猫耳の付いたクマの
キャラクターでアニメにもなっていて
10代20代に今爆発的にバズっている
キャラクターである。
「これね、近藤君が雫には絶対これが」
「1番喜ぶだろうって勧めてきたんだよ。」
「さすが圭介だな!」
そう言いながら慎吾は俺の顔を見ながら
ニヤニヤと意味ありげに笑っている。
「慎吾·····なんだよ。」
「そりゃ喜んで欲しいだろ?」
「そうだな!」
「大切なダチだからやっぱ喜んでくれる」
「物を渡したいもんな。」
そう言いながら再び慎吾は俺の顔を
見ながらニヤついてくる。
「みんな!」
「本当にありがとう!」
「大事にするね!」
「喜んでもらえてなによりだよ。」
「雫のその笑顔見れて私達は満足だよ!」
「なぁ、もうそろそろ昼休み終わるぞ。」
「あっ、本当だね。」
「そろそろ教室に戻ろうか。」
私を含む3人はお弁当を片付け自分達の
教室にもどり、午後からの授業を受け
あっという間に放課後になる。
私はこれから颯太君のお家に行く為、
スクールバッグに荷物を急いで詰めている
と近藤君が話しかけてきた。
「雫、颯と会うの何時頃から?」
「えっと特に時間は決まってなくて」
「学校が終わったら直ぐに家に来てと」
「LINEが来てたから今から颯太君の」
「家に行くところだよ。」
「そっか·····。」
「なぁ雫、颯との時間終わったら」
「俺に時間くれない?」
近藤君は真っ直ぐ私の目を見ながら
そう発している。
近藤君のその瞳があまりにも真剣で
真っ直ぐでつい目が離せなくなって
惹き込まれてしまいそうになってしまう。


