春が過ぎ気温も徐々に暖かくなり始め
梅雨入りが始まった6月…
今年の梅雨はあまり雨が降らない癖に
ジメッとしていて湿度が高くなる。
そんな6月私、17歳になります。
6月12日誕生日当日
昼休み今日も颯太君以外のみんなは
いつもの場所で集まりお弁当を食べていた。
「ねぇ、雫今日はさすがに颯太君に」
「会えるんだよね?」
「うん……きっと会えるはず。」
「きっとって……。」
「雫今颯太君と会えてないのどのくらい?」
「えっと…今日でちょうど1ヶ月かな。」
「雫それ本気?」
そう先に突っ込んできたのはさっきまで
話してた美桜ではなく近藤君だった。
近藤君は目を大きく開き驚いた表情を
している。
「うん……どんどんお父さんの会社」
「忙しくなってきたのとお父さんが」
「今体調崩していて颯太君が代わりに」
「できる範囲でお父さんの代理してる」
「みたいなんだ。」
「雫はそれで良いのか?」
「少しわがままになったっていいんだぞ?」
「雫、近藤君の言う通りだよ!」
「さっきも言ったけど」
「本当にちゃんと颯太君に」
「会えるんだよね?」
「今日は木ナッシーの誕生日だろ?」
「美桜ちゃん、さすがにそれは大丈夫」
「だと思うよ。」
「だと良いんだけど心配だもん。」
そう言って美桜涙目になりながら私の
顔を見ている。
美桜は自分の事のようにすごく心配
してくれているのが伝わる。
安心させてあげたい……だけど絶対
大丈夫だなんて私は正直わからなくなって
いた。
「昨日の夜、颯太君から電話がきて」
「ちゃんと今日は会えるって約束」
「してくれたから大丈夫だよ。」
「ねぇ雫、万が一なにかあった」
「時は電話して。」
「私が即駆けつけるから。」
「美桜ありがとう。」
「すごく心強いよ。」
「あっ、そうだ!」
「私達ね今日は颯太君と2人で居たい」
「だろうと思って昼休みに渡そうと」
「思ってみんなと買った」
「誕生日プレゼント持ってきたの。」
「えっ!?」
「めっちゃ嬉しい!何だろう!」
「近藤君、代表して渡して。」
そう言って美桜は近藤君にプレゼント
らしき包みを渡した。
「あっ、うん。」
「雫、はいこれ。」
「俺達からの誕生日プレゼント。」
「気に入ってくれると嬉しい。」
近藤君は両手でピンク色の中サイズの
ラッピングされた包を私の方に
差し出した。


