「雫、止まった?」
「止まった?じゃないって!」
「近藤君何してるの!?」
「キスした。」
「言わなくてもわかるよ。」
「だって雫…ものすごく辛そうだから」
「俺なりに一瞬でも涙と不安の気持ち」
「吹っ飛ばしたかったんだよ。」
「そうだけど…気持ちは嬉しいけど。」
「俺言ったよな?」
「ずっと雫の事好きだって。」
「雫には笑っていて欲しいんだよ。」
「辛い時は俺がその辛さから解放」
「させたいって思うんだよ。」
「近藤君…。」
「なぁ、圭介今回のはちょっと」
「度がすぎるぞ?」
「圭介が木ナッシーを思う気持ちも」
「わかるけれどやっていい事と」
「悪い事ちゃんと区別しないと。」
「俺と美桜ちゃんは今回の事は」
「颯太には黙ってるからもう二度とキス」
「はしたら駄目。」
「木ナッシーは颯太の彼女。」
「それが事実だからな。」
慎吾が本気で俺に説教してくれた。
確かに俺は度がすぎた行動をしたと
今慎吾に諭されてわかった。
雫は涙が止まっているけれど困った
表情をしている。
これじゃ雫は笑顔にはならない。
今度から気をつけようと心に決めた。
「近藤君今回は許してあげる。」
「私の為にしてくれた事だから。」
「その気持ちはとても嬉しいから。」
私は素直に思った事を近藤君に伝えた。
そしてこの事最初は颯太君に正直に
話そうと思っていたけれど、美桜と
増田君は黙っておくと言った。
やはりキスはまずいと思う。
きっと颯太君は近藤君にブチギレるだろう
しそれにそれで2人の仲が悪くなるの
私は嫌だから。
だから私も今回の事は自分の中に閉まって
おくことにする。
1つ颯太君には内緒の事ができてしまった
罪悪感がチクッと残るがこれが正しい
選択だと思った。
「雫、私達そろそろ帰るね!」
「あまり長居するのも雫のお母さんに」
「悪いし。」
「家は全然大丈夫だけどわかった。」
「私はこの後明日の数学の予習しないと。」
「頑張れ雫!」
「雫、予習無理しないように。」
「木ナッシー程々にな。」
「みんなありがとうw」
「そんな根気詰めてやらないから」
「大丈夫だよw」
「うんw」
「その言葉聞けて安心安心。」
「じゃ、また明日ね。」
「みんなも気をつけてね!」
「それじゃーお邪魔しました。」
私はみんなが帰った後数学の予習を
して今日1日を終えた。
そして私はまだまだこの時は知らなかった。
今日の出来事がまだ序の口だったなんて。
颯太君との会えない日がこの後も
日に日に増すなんて想像がつかなかった。
※第11章 不安と寂しさ※
END


