「雫、大丈夫?」


「うん…大丈夫。」
「美桜心配かけてごめん。」
「美桜、近藤君、慎吾君行こっか。」



私達はこのまま私の家に直接向かった。
みんなに心配かけてはならない。
だから不安と寂しさは自分の心に
しまっておく。





「お母さんただいま。」
「みんな連れてきたよ。」




「あら、いらっしゃい!」




「雫ママこんにちわ。」



「美桜ちゃんいらっしゃい!」
「今日優馬はバイトでいないのよ。」


「今日は優君じゃなくて雫とみんなで」
「DVD観に来たんです。」


「そうだったのね!」
「それと雫そのお2人イケメン君は?」




「ちょっと!お母さん!」
「その言い方失礼だよ!」



「だってぇ男前じゃない~!」


「すみません自己紹介遅れました。」
「いつも雫さんと仲良くさせて」
「頂いてます近藤圭介です。」
「よろしくお願いします。」


「俺も木梨さんと仲良くさせて」
「頂いてます増田慎吾です。」
「よろしくお願いします。」




「お2人ともご丁寧にありがとう。」
「雫にこんな素敵なお友達が出来て」
「お母さん、嬉しいわ。」
「ゆっくりしていってね。」
「雫、お母さん自分の部屋に居るから」
「何か用事あったら呼びにきてね。」




「うん、分かった。」




「お菓子と紅茶出しとこうか?」




「お母さん大丈夫自分でやるから。」



「ハイハイ。」
「でわ、ごゆっくり。」


そう言って私のお母さんは自分の部屋に
行き、私達はリビングの大きなテレビで
DVDを観る事にする。
その前に私はキッチンに行き人数分の
コップを食器棚から出しオレンジ
ジュースを注いだ。
それに気付いたのか近藤君が私の所に
やって来る。



「雫ありがとう、俺も手伝うよ。」


そう言いながら近藤君はさり気なく
おぼんにオレンジジュースが入った
コップを置き運んでくれる。


「ありがとう。」
「手伝わせちゃってごめん。」



「俺が好き好んでしてることだから」
「礼なんていらないよ。」



「そんな所が近藤君は優しいよね。」
「ありがとう!」



「雫、無理に笑顔作らなくて」
「いいから泣きたくなったら言って。」
「胸貸してあげるから。」



「近藤君には敵わないなぁ。」
「大丈夫今の所は…その時になったら」
「お願いしようかな…。」
「みんなのところ行こ。」



ダメだ…このまま近藤君といると
私…甘えてしまう。
私はそれを避ける為、みんなの所に
戻った。




「お待たせ。」
「オレンジジュースしか家無くて。」




「全然、オレンジジュース好きだから」
「嬉しい!」



「俺も!」


「あっ、私お菓子出すの忘れてた!」
「お菓子だすから観るのちょっと」
「待ってて!」


私は慌てて再びキッチンに向かい
お菓子がいつも入ってる棚を開けた。
私がお菓子を選んでる間、3人は
何か真剣な話しをしているみたいだけど
私にはその内容が聞こえては来なかった。






「ねぇみんなあの子どう思う?」



「徳井華さんだっけ?」
「俺は何か癖が強く思えたよ。」
「美桜ちゃんはどう思った?」



「私、あの子無理だわ…」
「だって完全に颯太君狙ってるじゃん。」
「雫が彼女だってわかっているのに。」
「近藤君はどう思った?」



「俺は颯にも徳井さんって子にも」
「腹が立ってるよ。」
「俺、もしこんな状態が続いたら」
「雫は俺がもらう。」
「颯には悪いけど俺、隙があれば奪う」
「つもりだから。」
「颯だって俺が雫の事どう思ってるか」
「知っていてそんな事してるって事だろ。」




「あー!なんか当事者じゃない私達が」
「なんか1番腹たって来ているのに」
「雫は無理に笑顔作って私達を」
「心配させないようにしてるの見ると」
「胸が痛い…。」




「「だよな…。」」