AM11時30分
集中しながら仕事していると俺の
スマホがなった。
スマホを持ち画面を開いてみる。
LINE、雫からだ。
俺はLINEを開き内容を読む……
えっ……なんでそうなるんだよ…。
美桜ちゃんのお母さん体調悪いから
美桜ちゃんは行けなくなって
美桜ちゃんがきっと雫の事圭介に頼んだ
とこのLINEの内容を読んでたらわかった
けれど何故その前に圭介が居るんだ?
この前のLINEには美桜ちゃんと行く
事だけしか書いてなかったぞ……。
1人で行かせるよりかは安心だけど
人が人だから心配になる。
圭介は雫に告白してから雫に対する
態度や言語が変わったし、前までは
雫の事を木梨と呼んでいたのを雫と呼ぶ
ようになった。
そりゃー俺が圭介に精々堂々と戦えなんて
言ったもんなぁ……その気持ちは
変わってないけど複雑だ…。
LINEを返そうと文字をうち初めた途端
親父に呼ばれそのままスマホを
部屋に置きっぱなしにして部屋を出た。
「颯太、早くこっちに来い。」
「なんだよ……。」
そう言いながら俺はリビングの中に入る。
するとそこには見知らぬ年配の男性と
俺と同じ年ぐらいの女性が食卓のテーブル
に座っていた。
同じようにリビングに居る藤井さんは
見知らぬ2人に茶菓子を出した後、
リビングから出て行った。
「こっちに座りなさい。」
俺は指定されている席に座る。
本当誰だよこの人達は……
多分、親子って言うのはわかるが……
「親父、こちらの方達は?」
「今回、新しいプロジェクトに」
「貢献して下さる大切なクライアント」
「さんの、徳井重政社長とそのお子さん」
「の徳井華さんだ。」
「今日、お互いの子供の顔合わせを」
「しようと急遽決まってな。」
「これからは若い2人に将来この会社」
「を力合わせて大きくして行って欲しい」
「と思ってな。」
「颯太、徳井さんにご挨拶しなさい。」
顔合わせ?
将来、この会社を2人で力合わせて大きく
して行く?
意味がわからない……。
「初めまして、吉川颯太と申します。」
「いつも父がお世話になっております。」
「颯太君は男前だねぇー。」
「こちらこそよろしく。」
「華、お前もご挨拶しなさい。」
「はい。」
「初めまして、私徳井華と申します。」
「今日は吉川ご家族にお会いできて」
「とても嬉しいです。」
柔らかい笑顔で徳井華と言う人物は
挨拶してきた。
胸の辺りまである細くて柔らかそうな
髪が雫とどことなく似ている。
顔はどちらかと大人ぽく美人の分類に
入るであろう。
「颯太、俺は今から重政さんと」
「とても大切な話しをするから」
「華さんを頼んだぞ。」
「えっ!?」
「ちょっと…!」
そう言って親父と重政社長は親父の
部屋に行ってしまった。
「行ってしまいましたね。」
「あの、親父がなんか……すみません。」
「私は全然大丈夫ですよ。」
「せっかくなので何かお話ししましょう。」
「そうですね。」
「ねぇ、颯太さんは私の事覚えてない?」
「あっ、話し入る前に今から」
「プライベートなので敬語禁止」
「にしますね!」
「お互い同い年だし。」
「あっ、うん了解。」
「それでさっきの話しの続きなんだ」
「けれど、私の事本当に覚えてない?」
何言ってるんだ?
徳井華とは今日が初対面なのに彼女は
変な事を聞いてくる。
「えっ……えっとどこかで会ってます?」
「やっぱり覚えてるわけないかw」
「私、颯太君と会った事あるのよ。」
「ごめん、全然俺には記憶がない。」
「まぁ、そうよね……」
「あれから4年経っているし、」
「私あの当時ショートヘアだったから。」
そう徳井華は俺に言ってくる。
4年前…4年前……4年前……
駄目だ…思い出せない。
やっぱり俺ら初対面ではないのか?
きっと徳井華は誰かと間違ってる
のではないのか?


