颯太side
新学期そうそう俺はついていない。
最近、親父の仕事を手伝わされている。
親父の会社は大手飲食店を作りだした
株式会社スマイルフードコーポレーション
の社長をしている。
俺が産まれた年に親父はこの会社を
建ちあげた。
最初は小さな会社だったが今では
日本の飲食店いくつもの経営する大きな
会社になっていた。
そんな親父の会社が来年から海外にも
会社を設立し、規模を増やすと計画が
進んでいる。
それにちなんで今、親父は忙しさMAX
である。
だからこの3月辺りから親父に頼まれ
俺はちょいちょい親父の手伝いを
している。
ああ……今日新学期雫と学校行きたかった
なぁ……みんなが羨ましい。
雫と同じクラスに俺はなれたのだろうか。
「親父、これで良いのか?」
「あぁ上出来だ、後これも頼む。」
「はいよ。」
「あー颯太。」
「最近あの子との関係はどうなっている。」
「雫の事?」
「最近親父の手伝いばかりで」
「会えてねぇーよ。」
「それでいい。」
「はあ?」
「良くねぇーよ!」
「彼女を悲しませてしまってるだろ!」
「彼女?」
「俺は認めんぞ。」
「お前には俺の会社を継いでもらわないと」
「いけないんだ。」
「そんなたるんだ事してもらっては」
「困るんだ。」
「別にたるんでなんかない。」
「俺は俺なりに雫も大事にして」
「いきたいし、会社の事もわかってる。」
「将来は雫と結婚してこの会社を」
「継ぎたいと思ってる。」
「それが甘い考えだって言ってるんだ。」
「そんな人生うまく行くはずない。」
「それにこの会社を支えてもらえる」
「クライアントがいつまでもいてくれる」
「とは限らんのだぞ。」
「とにかく、浮ついた事言ってないで」
「こっちの方に専念してもらうからな。」
「俺は雫との関係をこのまま続け」
「ながら行くつもりだから。」
俺は親父とこのまま争っても拉致が
あかないと思い自分の部屋で書類を
作成しようと親父の部屋を出た。
この時、親父は何か独り言を呟いていたが
俺の耳には届かなかった。
だけど俺はこの時ちゃんと親父の独り言
を聞いとけば良かったと後になって
後悔と絶望に悩まされる事になるなんて
思ってもいなかった。
AM11時5分
俺はあれから黙々と書類の作成をし、
少し休憩を挟んだ。
そして俺は今日の仕事を完璧に終わらせ
明日から雫と登校できるようにと
願掛けしながら雫に明日から必ず、
一緒に学校へ行こうと送る。
するとLINEは直ぐに既読になり、
雫から返事が来て俺は直ぐにメッセージ
を読む。
…………そっかぁ、俺と雫はクラス別に
なったのか。
しかも雫と圭介が一緒のクラス……
すげぇモヤモヤとする……
きっと圭介が雫の事好きって事俺知ってる
せいからだよな…告白もしたらしいし。
明日から雫は俺らの教室には居ないのか。
そう思うとお腹辺りがキリキリと痛む。
だけど、クラスは違っても雫のクラスに
会いに行けばいいんだよ。
授業中以外は雫に会いに行くと俺は
決めた。
あっ、今日美桜ちゃんとクレープ食べに
行くのか。
美桜ちゃんありがとう雫の傍に居て
くれて……俺がいない時美桜ちゃんが
雫の傍にいると安心できる。
楽しんできて欲しいなぁ。
俺は雫にLINEの返事を送り再び
仕事に没頭した。


