初恋物語~大切な君へ



「ドジなのは認めるけど」
「可愛いとか無自覚は認めないもん。」




私が可愛いとか絶対ない。
もっとたくさん世の中には綺麗な人や可愛い人がいる。
だからいつも不思議に思う。
どうして颯太君はこんなにも私の事を好いてくれているのだろうと。
前にも同じ質問した時答えてくれた通りなんだけれど自分に自信がないからすぐ不安にもなっちゃうし臆病で弱虫なのに本当に
私を好きでいてくれて良いの?って
思っちゃう。
そのくせ私はもっと颯太君の傍に居たいと
かワガママになっている。
だから私は可愛くはないよ…。






「俺が可愛いって言ってるんだから」
「雫は可愛いの。」
「自分の良さに雫は気付いてないだけ。」
「俺が雫だけ可愛いって思ってるんだ」
「だからいいだろ?」


「うん…////」



「ほら、歩ける?」
「もう少しで着けるから頑張ろ。」




私と颯太君は階段を登りきり、登った先に
ある建物は水族館だった。
水族館に行くのは小学生の時に家族で行った以来で超がつくほど久しぶり。
だから今、入館する前からワクワクが止まらない。




「水族館だ!」



「嬉しい?」



「うん!めちゃくちゃ嬉しい!」
「水族館自体久しぶりだから」
「今ものすごくワクワクしてる!」


「良かった!」
「俺は雫と水族館めちゃくちゃ」
「行きたくて勝手にプランに入れて」
「しまってごめん(笑)」



「全然!」
「すごく楽しみ!」



「クリスマスに水族館デートだな!」



「デート!?」



雫は俺がデートと言った途端一瞬フリーズし、その後みるみる頬が赤くなっていた。
本当雫の反応が1つ1つわかりやすくて
つい、またどんな反応するのだろうと
見たくてたまらなくなる。
この反応も全部俺だけに見せてくれると
俺、毎日頑張れる気がする。
雫って無意識で超絶可愛い反応するから
罪だよな。
圭介といる時もこんな反応するのかな…?
圭介と雫ってどことなく性格も趣味も似てるからどんどん仲良くなってるし。
仲良しなのは良いとは思うけれど圭介は雫の事好きでその事は雫は知らない状態で
早く俺のもんにしたいって気持ちだけが
すごく焦っている。
雫の気持ちが1番優先にしなきゃいけないと頭の中でちゃんと分かっているのだけれど最近はすごくそれが難しい。



「俺とのデートは嫌?」
「昨日の圭介とのデート」
「の方が楽しかった?」




こうやって俺は意地悪な事を言ってしまう。
いわゆる嫉妬からくるものだとすぐに
わかった。
ほら…案の定雫はすぐに困った表情になる。
こんなはずじゃない…今日は楽しく雫と
過ごすって決めたじゃん。
雫に喜んでもらえるように頑張ってプラン
立てたんだろ!
そう心に叩き言いつけた。




颯太君が悲しい表情で言った。
その姿を目にした途端一気に悲しくなった。
私なんか勘違いされている。
そう思った途端急に寂しくなる。




「颯太君、近藤君とデートは」
「してないよ。」
「近藤君は、クリスマスイヴ暇だから」
「遊びに行くの付き合ってって」
「連絡が来て遊んだんだよ?」
「それに、颯太君とのデート…」
「嫌じゃないよ。」
「だからそんな悲しい顔しないで?」




「雫…ごめんな…俺ちょっと余裕」
「なくなってきてる。」
「ちゃんと冷静にならなきゃだな(笑)」
「気を取り直して水族館入ろ。」


私は自然に颯太君の握る手をギュッと強く握る。
きっと待たせすぎたのかもしれないと私は思ってしまった。
本当、そろそろ伝えないと颯太君がどんどん悲しい思いさせてしまう。



「雫…?」


雫が俺の手を強く握っていた。
その手から優しい気持ちがじわじわと俺の全身に流れ込んでくる。
とても暖かい陽だまりのような包まれた
気持ちになった。



「ちゃんと颯太君への気持ち」
「伝えるから安心してね。」



「雫…マジでありがとう。」
「うん、その時が来るの待ってる。」