「えっ、品切れですか?」
目を見張ったアーシェリアスに、食堂を切り盛りする宿屋の主人の奥さんが「悪いね」と眉を下げる。
「今日はいつもの仕入れ先が休みでねぇ。今あるのは、豚肉と、あとは卵とパンくらいなんだよ」
「そうですか……」
時間も夕飯時を過ぎているので仕方ない。
しかし、楽しみにしていたノアは唇を尖らせた。
「ええ~、ボクもうお腹ペコペコだよ」
「どうする? 酒場に行くか?」
パンだけもらうのもありだが、酒場ならもう少しメニューも豊富で腹を満たせるものがあるだろう。
アーシェリアスもそう考え、ザックの提案に首を縦に振ろうとした時だ。
「ここにいたか、みんな」
外から戻って来たエヴァンが、大きな袋をふたつ抱えて食堂に入ってきた。
「うわっ、まさかそれ全部マンゴーなの?」
若干引き気味に尋ねるノアに、エヴァンは白い歯を見せて笑う。
「それが、青果店の店主が気のいい人でな。マンゴーをあるだけ買ったらおまけでくれたんだ」
そう言って袋から取り出したのは、ジャガイモだ。
「それから、キャベツとトマト、玉ねぎももらったぞ」
アーシェリアスが袋の中を覗くと、キャベツが二玉、トマトが四つ、玉ねぎがふたつ、ジャガイモが八個入っている。
「ジャガイモは日持ちもするし、貰っておいて損はないだろう?」
「そうだな。出発前には食料を少し買い足すつもりだったし、助かったな」
エヴァンが得意げな顔で言い、隣に立つザックが頷いたところでアーシェリアスは思い付く。
目を見張ったアーシェリアスに、食堂を切り盛りする宿屋の主人の奥さんが「悪いね」と眉を下げる。
「今日はいつもの仕入れ先が休みでねぇ。今あるのは、豚肉と、あとは卵とパンくらいなんだよ」
「そうですか……」
時間も夕飯時を過ぎているので仕方ない。
しかし、楽しみにしていたノアは唇を尖らせた。
「ええ~、ボクもうお腹ペコペコだよ」
「どうする? 酒場に行くか?」
パンだけもらうのもありだが、酒場ならもう少しメニューも豊富で腹を満たせるものがあるだろう。
アーシェリアスもそう考え、ザックの提案に首を縦に振ろうとした時だ。
「ここにいたか、みんな」
外から戻って来たエヴァンが、大きな袋をふたつ抱えて食堂に入ってきた。
「うわっ、まさかそれ全部マンゴーなの?」
若干引き気味に尋ねるノアに、エヴァンは白い歯を見せて笑う。
「それが、青果店の店主が気のいい人でな。マンゴーをあるだけ買ったらおまけでくれたんだ」
そう言って袋から取り出したのは、ジャガイモだ。
「それから、キャベツとトマト、玉ねぎももらったぞ」
アーシェリアスが袋の中を覗くと、キャベツが二玉、トマトが四つ、玉ねぎがふたつ、ジャガイモが八個入っている。
「ジャガイモは日持ちもするし、貰っておいて損はないだろう?」
「そうだな。出発前には食料を少し買い足すつもりだったし、助かったな」
エヴァンが得意げな顔で言い、隣に立つザックが頷いたところでアーシェリアスは思い付く。



