「こっ、これは! かつて大魔王を倒した勇者〇トの紋章ではないか⁉」
興奮した面持ちでおじいさんは紋章を凝視している。
(詳しくないけど、それ多分ドラ〇エ!)
心の中で突っ込むアーシェの前で、おじいさんの様子に戸惑うザック。
「いや、これはファーレン王家のものなんだが……」
「すぐに館長に知らせますゆえ、お待ちください勇者の末裔殿」
「違う、俺は勇者の末裔ではなく」
「館長ォ! 館長ォォッ! 勇者の末裔殿がお越しですぞォ!」
老体に鞭打つかのごとく必死に廊下を駆けていくおじいさん。
「……変な奴が来たって報告されて、摘まみだされないといいな……」
「その時こそ、王子オプションの使いどころだと思うわ」
アーシェリアスが苦笑し、ザックがやれやれと肩をすくめる。
しばらくして、案の定館長ではなく訝し気な顔をした他の職員がやってきたが、今度こそ王子オプションが役に立ち、ふたりは無事に館長室へと案内された。
アーシェリアスの父より少し年は上だろうか。
白い修道服を纏った赤ら顔の館長が、ザックに深々と頭を下げる。
「大変失礼をいたしました。まさかアイザック殿下がご来館くださるとは夢にも思わず」
職員の非礼を詫びた館長の面を上げさせ、ザックは微笑みを浮かべた。
「こちらこそ突然申し訳ない。それで、さきほど職員の方にも伝えたのだが」
ザックは、さきほどコスタから聞いたコンテストのことを踏まえつつレシピ本のことを訪ねた。
すると館長はすぐに寄贈リストを確認する。
興奮した面持ちでおじいさんは紋章を凝視している。
(詳しくないけど、それ多分ドラ〇エ!)
心の中で突っ込むアーシェの前で、おじいさんの様子に戸惑うザック。
「いや、これはファーレン王家のものなんだが……」
「すぐに館長に知らせますゆえ、お待ちください勇者の末裔殿」
「違う、俺は勇者の末裔ではなく」
「館長ォ! 館長ォォッ! 勇者の末裔殿がお越しですぞォ!」
老体に鞭打つかのごとく必死に廊下を駆けていくおじいさん。
「……変な奴が来たって報告されて、摘まみだされないといいな……」
「その時こそ、王子オプションの使いどころだと思うわ」
アーシェリアスが苦笑し、ザックがやれやれと肩をすくめる。
しばらくして、案の定館長ではなく訝し気な顔をした他の職員がやってきたが、今度こそ王子オプションが役に立ち、ふたりは無事に館長室へと案内された。
アーシェリアスの父より少し年は上だろうか。
白い修道服を纏った赤ら顔の館長が、ザックに深々と頭を下げる。
「大変失礼をいたしました。まさかアイザック殿下がご来館くださるとは夢にも思わず」
職員の非礼を詫びた館長の面を上げさせ、ザックは微笑みを浮かべた。
「こちらこそ突然申し訳ない。それで、さきほど職員の方にも伝えたのだが」
ザックは、さきほどコスタから聞いたコンテストのことを踏まえつつレシピ本のことを訪ねた。
すると館長はすぐに寄贈リストを確認する。