「さすが様々な世界を生み出す者たちの住む世界。神界で見たことのないものばっかで面白い」

 整備された街には山のように高いビルが所狭しと建ち並び、迷路のように入り組んだ道を群れを成すように人々が往来している。

「えっと、ここは日本の東京ってとこなのか。なるほどー。兄上たちから聞いてたけど、これは確かに歩きにくそうだ」

 浮島だらけのだだっ広い神界とは全くといっていいほど違う。

 雑多で忙しなく、けれど、どこを見ても珍しいものばかりで当分は飽きそうにない。

「ふむ、まずはこの日本を隅々まで見てまわろう」

 ハクジュは道ゆく人々に馴染むように姿を変え、神アプリを頼りに日本観光を開始した。