──一年前。
女王に頼まれて料理を作り、舞踏会でミアとひと悶着あったあの日。
『リンカさんのレシピ本を神様に持っていかれました』
嘘のような話を正直に伝えたアーシェリアスを、女王は驚きはしたが疑ったりはしなかった。
先に、アーシェリアスが転生した時の話を語ったからというのもあったからだろう。
また神様に会えれば本は戻って来るのでは。
そんな理由もあり、厳しく罰せられることもなかったのだが。
『咎めない代わりに、本が戻るまでは城で料理を作り、シェフたちにレシピを伝授しなさい』
瞳を輝かせた女王に言われ、アーシェリアスはその交換条件を快く飲んだ。
それからアーシェリアスは様々な料理を作り、充実した日々を過ごしている。
ちなみに、ミアは今、ファーレンにはいない。
女王の沙汰により国外追放を言い渡されたのだ。
まるで、アーシェリアスの運命を代わりに辿るかのように。
自分のせいでミアがと、罪悪感を持ってアーシェリアスだったが。
『ミアはモルンロートの貴族に気に入られ、玉の輿に乗って暮らしている』
そんな噂を聞いて以来、たくましいから大丈夫そうだと気にしないようになった。
そして、肝心のレシピ本はというと。
(それにしても、神様ってば満足しちゃったのかな……)
あれ以来神様と遭遇することがなく、シーゾーが呼んでも来ない。
その為、戻ってきていない状況だ。
女王に頼まれて料理を作り、舞踏会でミアとひと悶着あったあの日。
『リンカさんのレシピ本を神様に持っていかれました』
嘘のような話を正直に伝えたアーシェリアスを、女王は驚きはしたが疑ったりはしなかった。
先に、アーシェリアスが転生した時の話を語ったからというのもあったからだろう。
また神様に会えれば本は戻って来るのでは。
そんな理由もあり、厳しく罰せられることもなかったのだが。
『咎めない代わりに、本が戻るまでは城で料理を作り、シェフたちにレシピを伝授しなさい』
瞳を輝かせた女王に言われ、アーシェリアスはその交換条件を快く飲んだ。
それからアーシェリアスは様々な料理を作り、充実した日々を過ごしている。
ちなみに、ミアは今、ファーレンにはいない。
女王の沙汰により国外追放を言い渡されたのだ。
まるで、アーシェリアスの運命を代わりに辿るかのように。
自分のせいでミアがと、罪悪感を持ってアーシェリアスだったが。
『ミアはモルンロートの貴族に気に入られ、玉の輿に乗って暮らしている』
そんな噂を聞いて以来、たくましいから大丈夫そうだと気にしないようになった。
そして、肝心のレシピ本はというと。
(それにしても、神様ってば満足しちゃったのかな……)
あれ以来神様と遭遇することがなく、シーゾーが呼んでも来ない。
その為、戻ってきていない状況だ。