破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

「あなたたち、この数日何をしていたの」

 唇だけを動かす女王に、アーサーはふふっと微笑む。

「悪者退治の準備ですよ」

 そうして、床の上で悲しく輝く琥珀糖を拾うザックを見守った。

「毒はないと、俺が証明する」

 毅然とした態度でそう言ったザックは、ためらいもなく琥珀糖を口に入れる。

 王子が自ら毒を食らう姿に、貴族たちは悲鳴に似た声を上げた。

 ──が、ザックにはなんの異変も現れない。

 座り込んだままのアーシェリアスに手を差し伸べ、微笑んだ。

「食べた人を笑顔にしたいと願うアーシェが料理に仕込むのは、いつだって愛情だけだ」

 うんうんと頷くエヴァンと、「うまいこと言って」と小声でからかうノア。

 アーシェリアスは瞳に涙を浮かべながら、一ミリも疑うことなく証明してくれた愛しい人の手をとった。

 立ち上がるアーシェリアスを優しい眼差しで見つめていたザックだったが、その瞳にミアに映した途端、冷えたものに変わる。

「そんなお粗末な演技までしてアーシェを陥れたいか? ミア・ファニング」

「え……演技だなんて、私は、本当に……今、苦しくて」

「それは大変だな。そんな時に悪いが、確認したいことがあるんだ」

 悪い思ってない淡々とした声で言って、ザックは女王を見る。

「陛下、この場に相応しくない者が入りますが、ご容赦を」

「……いいでしょう」

 上手くおさめてごらんなさい。

 声にはせず、女王は瞼を閉じて促す