破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

「コンロお借りしてもいいですか」

「もちろんだ。手伝おうか」

「ありがとうございます! でも大丈夫ですよ」

 バレットの心遣いは嬉しいが、無理はさせたくない。

 何より。

「昨日皆さんに、仕込みを手伝ってもらったおかげで、あとは肉じゃがを作るのと仕上げだけなので」

 スタッフたちが親切に手を貸してくれたので、手伝ってもらうことはもうほとんどないのだ。

「いやぁ、肉じゃがというのも楽しみだが、昨日の用意した付け合わせも変わった料理ばかりで驚いたよ」

 アーシェリアスが用意したのは、きのこの炊き込みご飯、大根と人参の味噌汁に、ほうれん草の胡麻和え、バジルと卵のマカロニサラダだ。

「どうやったらあんなの思い付くんだい」

「それは秘密です。と、言いたいところなんですけど、ほとんどが母から教わったものなんです」

 小料理屋を営んでいた前世の母からだけど、とアーシェリアスは心の中で付け足した。

「アーシェリアスさんのお母さんは料理の天才なんだね」

 ニコニコとバレットが言って、アーシェリアスは「はい」と笑みを返した。

「さて、じゃあ始めます!」

 借りたエプロンを装着し、腕を捲る。

 調理台に材料を並べていると、スタッフたちが忙しくしながらも興味の視線を注いできた。