「陛下のお話って何かしら。もしかしてお食事に何か問題があったとか?」

 不安を滲ませたアーシェリアスの声に、ザックが頭を振った。

「問題があったら、今の時点で無理矢理にでも連れて行かれたはずだ」

「そうだな。そうでないなら悪い状況ではないということ。変に気を揉む必要はないだろう」

 腕を組んでエヴァンが安心させるように頷き、アーシェリアスもまた「はい」と首を縦に振って応えた。

 いつの間にかシーゾーを迎えて抱っこしていたノアも明るい声を出す。

「どんな用かは行ってみればわかるし、何かあってもザックとエヴァンがいるからなんとかなるよ。もちろんボクにもできることがあれば全力でするし!」

「そうだな。謁見の時は俺も一緒にいる」

 だから安心しろというように微笑んだザック。

 自分の知らないうちに破滅エンドへのフラグが立っていたら。

 その不安は拭えないが、考えていても仕方がないのは確かだ。

「ありがとう、みんな」

 アーシェリアスは胸の内の曇りを晴らすように笑みを浮かべ、飛び移って来たシーゾーを抱き締めた。