「変な詐欺じゃなくて良かったな」
心配は杞憂に終わり、ザックは安堵しつつソファーに腰を下ろす。
「ところで報告をいいか」
「ええ。アーサー様には会えた?」
尋ねながらアーシェリアスがザックの隣に座ると、ノアとエヴァンも向かいのソファーに腰掛けて耳を傾ける。
「残念ながら公務で王都にはいないらしい。明日戻ってくると屋敷の者から聞いた」
「ていうかさ、第二王子と第三王子じゃダメなの?」
ノアが疑問をぶつけると、ザックは緩く頭を振る。
「あのふたりは陛下に忠実だ。俺のこともあまり良く思ってない」
「なるほどねー」
第一王妃と第二王妃の派閥のようなものを想像し、ノアは面倒そうに肩をすくめた。
「一応、アイザック様派の重鎮たちにもあたってみたが、近々城で舞踏会があるとかで皆不在でな」
イベント前の貴族諸侯は多忙。
例えそれが、舞踏会というちょっとしたお見合いイベントに浮かれた買い物だとしても、良い縁談相手を掴むために親も必死なのだ。
そんな風潮が好きになれないザックは、旅に出たことで出席を免れ清々していた。
心配は杞憂に終わり、ザックは安堵しつつソファーに腰を下ろす。
「ところで報告をいいか」
「ええ。アーサー様には会えた?」
尋ねながらアーシェリアスがザックの隣に座ると、ノアとエヴァンも向かいのソファーに腰掛けて耳を傾ける。
「残念ながら公務で王都にはいないらしい。明日戻ってくると屋敷の者から聞いた」
「ていうかさ、第二王子と第三王子じゃダメなの?」
ノアが疑問をぶつけると、ザックは緩く頭を振る。
「あのふたりは陛下に忠実だ。俺のこともあまり良く思ってない」
「なるほどねー」
第一王妃と第二王妃の派閥のようなものを想像し、ノアは面倒そうに肩をすくめた。
「一応、アイザック様派の重鎮たちにもあたってみたが、近々城で舞踏会があるとかで皆不在でな」
イベント前の貴族諸侯は多忙。
例えそれが、舞踏会というちょっとしたお見合いイベントに浮かれた買い物だとしても、良い縁談相手を掴むために親も必死なのだ。
そんな風潮が好きになれないザックは、旅に出たことで出席を免れ清々していた。



