破滅エンドまっしぐらの悪役令嬢に転生したので、おいしいご飯を作って暮らします ②【11/25コミカライズ完結記念番外編追加】

　塩コショウで軽く味付けした厚切りベーコン。

　輪切りにして水にさらし、あく抜きした茄子。

　割いたしめじと、ほうれん草もカットして準備は完了。

　ショートパスタを茹で始めたアーシェリアスは、オリーブオイルを敷いたフライパンでそれらを炒めていく。

　ベーコンは一番最初に入れて、カリッとさせるのがコツだ。

　続いて今度はタレ作りに取り掛かる。

「それはなんだい？」

　アーシェリアスが持参したピンを不思議そうに見るバレット。

　他の調理に追われているスタッフたちも、興味津々といった様子で手を動かしつつも見守っている。

「これはごま油というものです」

「ごま油？」

「うーん、簡単に説明すると、焙煎した白ごまを細かく粉砕して圧搾。その油分を抽出したものです」

「なるほど。ろ過してそのように滑らかにしているのだね」

「そうです！　今日はこれを使ってニラダレを作ります」

「ニラダレ」

　耳馴染みのない名にバレットはオウム返しする。

「色んな料理に使えるので、ぜひバレットさんも試してみてください」

　オススメしつつ、洗って水分を拭き取ったニラを一センチほどの長さに刻んでいく。

「生姜はおろしにして、醤油、お砂糖と混ぜ合わせます。辛いのが好きな方は唐辛子を入れても美味しいです」

　ボールの中で混ぜ終わると、新しいフライパンを用意し、そこにごま油を入れて熱して温めた。